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萱野稔人と巡る超・人間学【第17回】

萱野稔人と巡る【超・人間学】――ソロ社会化とコミュニティの変化(前編)

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――人間はどこから来たのか 人間は何者か 人間はどこに行くのか――。最先端の知見を有する学識者と“人間”について語り合う。

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(写真/西村 満)

今月のゲスト
荒川和久[独身研究家]

2040年、日本の人口の約半分が独身者に! 急速に進んでいく“ソロ社会化”。 何が日本社会にソロ化をもたらしたのか、いま何が起こっているのか、そして未来は――。独身研究家・荒川和久氏と語る。

萱野 荒川さんは“ソロ社会化”という独自の観点から現代の日本社会を鋭く分析されています。その分析はとても興味深く、私も多くの論考を読ませていただきました。今後の日本社会では独身者や単身者の割合がさらに上昇していく、というのが荒川さんの基本的な見立てですね。

荒川 ソロ社会化の流れは確実で不可避なものでしょう。世帯類型別の構成比でいうと、ひとり暮らしの単身世帯は、2010年国勢調査の段階でかつて“標準”といわれた「夫婦と子」の世帯を上回りました。さらに、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では、2040年に単身世帯は約4割となる一方、夫婦と子の世帯は23%にまで落ち込むとされています。同時に、15歳以上の独身人口は47%になります。

萱野 団塊ジュニア世代が高齢者になる頃には、全人口のおよそ半分が独身になっているんですね。

荒川 日本は、超高齢国家と言われていますが、高齢人口より独身人口のほうが多い国になります。まさに、世界に先駆けて「超ソロ社会」に突入します。

男性の3割・女性の2割が生涯未婚に

萱野 衝撃的な数字ですね。ソロ社会化をめぐる荒川さんの問題提起は今後さらに多くの関心を集めていくと思いますが、そもそも荒川さんはどのような経緯からこの問題に着目するようになったのでしょうか。

荒川 まず2010年の国勢調査の結果があります。このとき、男性の生涯未婚率が初めて20%を超えたんですね。男性の5人に1人が生涯未婚という事実はやはりインパクトが強く、僕も関心を持つようになりました。独身男性の生活に注目して、独自に研究を始めたのは2013年からです。当初はマーケティング的な観点からの研究でした。というのも、当時のマーケティング領域では独身男性は顧客としてまったく相手にされない存在だったからです。昭和の時代からマーケティングのターゲットは常に“主婦”であり“家族”。基本的に消費は女性が作るものとされていて、平成になって女子高生や女子大生の消費動向が注目されるようになっても、独身男性は「結婚もできないのは金がないから。だからターゲットにならない」という一種の偏見が主流だったんですね。

萱野 世間的にも中年を過ぎた独身男性に対しては風当たりが強いですしね。

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