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THC入りのグミやチョコがヘルシーで大人気! コロナ禍のLAで“必要不可欠”な大麻フード

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 さて、前置きが長くなったが、そんな大麻エディブルのトレンド、とりわけコロナ禍のLAにおけるその現状を見ていこう。

「ロックダウン中は、確実にエディブルのセールスは上がりました」と語るのは、07年からメディカル・カンナビスを提供するディスペンサリーとしてオープンした〈Cornerstone Wellness〉(以下、〈Cornerstone〉)の創立者で、同社のCEOを務めるエリカ・ケイさん。

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〈Cornerstone Wellness〉のサイトより。

「私たちはカリフォルニアで最初の化学的エビデンス・ベースのディスペンサリーで、さまざまな検査機関と情報交換をし、カンナビスが特定の疾患にどのような効果をもたらすかという情報をお客さんに提供してきました。また、偏頭痛やがんなどで苦しむお客さんがカンナビス商品を使ってどんな効果を得られたかというデータも集めてきたんです。こうした研究をしているディスペンサリーは、世界中で私たちだけですね」

 しかし、ロックダウンで営業を続けられなくなる心配はあったそうだ。

「正直、一時的に営業停止を命じられる可能性があると思っていました。というのも、カリフォルニアでカンナビスは合法になりましたが、DEA(米国麻薬取締局)は今でもカンナビスを“スケジュール1”のドラッグ――医療効果がなく、乱用される可能性のある薬物として分類していますからね。ただ、〈Cornerstone〉はメディカルに重点を置いているので、カンナビスは多くの患者さんにとって生活するために不可欠なものだと理解しています。しかも、ロックダウン中は普段よりも不安やストレスを感じやすいので、カンナビスがさらに欠かせなくなる。だから、結局、営業が許されたときは驚くと同時に、必要不可欠とみなされるのは当然だという思いもありました。ちなみに、ロックダウン中は不安障害、ストレス、うつ病、不眠症、慢性疼痛といった疾患で悩むお客さんが多かったですね」(エリカさん)

 近年のエディブル人気については、エリカさんは次のような見方を示す。

「カンナビスの煙は、どうしても人の目を引きますよね。また、煙を体内に入れたがらない人もいる。そもそも、キャンディやチョコみたいなお菓子に慣れ親しんでいる人は多いので、特に初心者はエディブルを食べることに抵抗を感じづらいんです。子どもを含む家族を持つ人であれば、煙の吸引よりエディブルのほうが生活に取り入れやすいこともありますしね。さらに、煙の吸引はどのくらいハイになるかわかりにくいすが、今のエディブルは体内に入るTHCの量を把握できるという利点もある。こうした背景もあって、4~5年前から大きなバジェットを持った専門のメーカーが登場し始め、エディブルのクオリティがどんどん高くなったんです。ブランディングやマーケティングが得意なメーカーも増え、エディブル業界は激変しましたね」

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