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被災地は切り捨てられてしまうのか?

全面復旧は不可能?――台風被害で露呈したゆるみ切った安倍政権

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未曾有の台風被害、安倍政権は……

今年9月、10月に起こった巨大台風の被害は、全面復旧にはまだ時間がかかりそうだ。政治に目を向けてみると自民党の二階俊博幹事長が「まずまずに収まった」などと発言。ここでも政権の失態が露呈した格好だ。だが本当に問題なのはその事後処理だという。

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JR東海によるリニア中央新幹線のHP。

 空前の台風被害が日本列島を想像以上に蝕んでいるようだ。9月から10月にかけて、東日本を中心に各地を襲った3つの台風(15号、19号、21号)は近年まれに見る猛威を振るい、死者は合計100人以上に達した。中でも台風19号の被害は甚大で、住宅の床上・床下浸水は6万棟を突破。1万5000棟以上が台風によって住宅破壊の被害を受けた。まさに未曽有の台風被害について、災害報道に携わる大手メディアの記者が言う。

「9月の台風15号で、千葉県内は大規模停電や屋根の吹き飛ばし被害などの深刻なダメージを受けたため、政府の支援が千葉に向けられた。その隙間を縫うように、台風19号が上陸しました。対策が手薄だった長野や福島などで大河川が次々と氾濫。東日本はズタズタになったのです」

 実際、堤防の決壊は7県の合わせて71河川140カ所で発生。日本最長の信濃川の上流である長野市内の千曲川、東北屈指の流域面積を誇る福島県内の阿武隈川といった主要河川の堤防が猛烈な増水によって切れてしまった。前出の記者が続ける。

「人体に例えるとわかりやすいでしょう。複数箇所の動脈を同時に切ってしまうと、止血するのは大変で、死に至る確率が高くなる。河川も同じで、一斉に堤防改修を行わないと、再び大水が出たとき、手当てをしていない箇所からどんどん水があふれ出し、洪水をもたらす。台風21号に伴って発達した局地的な前線の影響で千葉と福島で河川氾濫が発生し、10人以上が亡くなったのはそのせいです」

 決壊した河川の改修は、決して容易ではないという。4年前の2015年、台風18号がもたらした豪雨で栃木県常総市内を流れる鬼怒川が決壊し、まるで津波に襲われたかのように民家が次々と濁流に押し流された。ギリギリ残った自宅の屋上から救難ヘリに助けを求めるシーンはテレビで生中継され、これを記憶している向きも多いだろう。

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