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大石始のマツリ・フューチャリズム【23】

世界的な注目を集めつつある「なまはげ」――継続危機と対峙する秋田の伝統祭

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――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

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「悪い子はいねがー! 泣く子はいねがー!」という伝統祭が、いつしか「若い子はいねがー!(泣)」と、なってしまっているなまはげだが、世界的な注目は絶好のチャンス。

「悪い子はいねがー!」と民家に押し入り、子どもたちを恐怖のどん底へと突き落とす「なまはげ」。秋田県西部・男鹿半島の冬の風物詩として長年親しまれてきた伝統行事だが、今、このなまはげに時代の変化の大波が押し寄せている。

 00年代以降に顕著となってきたのが、なまはげを児童虐待とする地域外からのクレームだ。確かに男鹿の子どもたちにとって、年に一度のなまはげ体験は恐怖そのもの。筆者も、それまで大騒ぎしていた子どもたちが「そんなに騒いでると、なまはげさんに来てもらうよ!」という親のひと声で瞬時のうちに静まり返る場面に遭遇したことがあるが、なまはげは伝統行事であると同時に、地域の子どもたちを“しつけるため”の通過儀礼でもあるのだ。そうした儀礼を通じ、子どもたちはこの世の中には現実とは異なる世界や、理性だけでは把握できない世界が存在するということを幼いうちから叩き込まれることになる。そうした教育的観点から考えても、なまはげは今なお一定の必然性があるといえるだろう。地域の人々もまた、なまはげを児童虐待と訴える外部からの声に関しては、まったく気にしていないようだ。

 そして男鹿半島では、なまはげの担い手となる若者たちが近年急激に減少している。通常なまはげは各集落ごとに継承され、それぞれに異なる面が伝えられているが、集落によっては若者自体の減少で継承が途絶えてしまったところもある。12年度からはなまはげを実施する町内会に対し、男鹿市が補助金を出すなど支援態勢が整えられつつあるが、いくら補助金が出ようとも、担い手となる若者がいないのであれば存続は不可能。地域の伝統行事としてのなまはげは、いまや存続の危機に晒されているのだ。

 その一方で、秋田県の観光キャラクターとして、なまはげは大活躍中なのは周知の通り。男鹿に限らず、秋田県のいたるところでその姿を見かけることができるほか、あらゆるグッズや土産物にも登場しており、本来の怖さとは無縁の、ほとんどゆるキャラに近い存在となりつつある。観光キャラクターとしてのなまはげを主役とし、観光客向けの行事として開催されているのが、昭和39年から続く「なまはげ柴灯まつり」だ。この祭りでは、なまはげ行事の再現のほか、なまはげ面をかぶった男たちが太鼓を叩く「なまはげ太鼓」や現代舞踏家の石井漠が振り付けを考案した「なまはげ踊り」など、なまはげを題材とした創作エンタテインメントが披露される。

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