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――ファストファッションの台頭によって、日本では高級ブランドの不調が叫ばれている。しかし、世界的に見ると、事情は少々違っていたようで……? ここでは、“ラグジュアリーコングロマリット”の今に迫ってみたい。

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『ルイ・ヴィトンの法則―最強のブランド戦略』(東洋経済新報社)

 ここ数年、日本では「ラグジュアリーブランド」と呼ばれる高級ブランドが次々と撤退。売り上げが縮小傾向にあるとされてきた。例えば、2008年にはルイ・ヴィトンが銀座の新規出店を取りやめ、09年にはヴェルサーチが国内4店舗すべてを閉鎖(11年に再上陸)。10年にはグッチが松坂屋銀座店から撤退を表明している。

 一方で、同時期にはユニクロ、H&M、フォーエバー21などといったファストファッションや、各ラグジュアリーブランドの“セカンドライン(価格帯を抑えた商品)”が流行。並行して、ファストファッションブランドと提携し、安い商品を売り出す高級ブランドも相次いだ。クリストフ・ルメール氏がユニクロとデザイン契約を結び、15年秋から展開している「ユニクロ アンド ルメール」シリーズや、前年にアレキサンダーワンとH&Mが協力したコラボ商品「ALEXANDER WANG × H&M」の盛況ぶりは記憶に新しいだろう。

 ラグジュアリーブランドはもはや終焉した─。日本にいるとそんな声さえ聞こえてくるが、実態はそうではない。海外では、傘下に多くの高級ブランドを抱えるラグジュアリーコングロマリット(複合企業)がその勢力を拡大し続けている。ラグジュアリーブランドの経営戦略に詳しい早稲田大学ビジネススクール・長沢伸也教授は言う。

「ここ数年、ラグジュアリーコングロマリットの売り上げは落ち込むどころかむしろ上がっています。リーマンショックの後(09年頃)に少し落ち込みましたが、00年あたりと比較すれば、全体的に右肩上がりといえる。その主な拡大市場となったのは、日本を除くアジアなのです」

 成熟市場となった日本では実感しにくいが、世界のファッション産業には今、大きな変化が訪れようとしている。

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