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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第98回

『ブリッジ・オブ・スパイ』スパイか愛国者か…国境に架かる橋は誰のためにある?

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『ブリッジ・オブ・スパイ』

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冷戦時代、米国内でひとりの画家がスパイ容疑で逮捕された。彼を弁護するのはナチスの戦犯裁判で辣腕を振るった弁護士、ドノヴァン。やがて彼は、東側諸国で拘束された米国人の救出に向かうが……。
監督:スティーブン・スピルバーグ/出演:トム・ハンクスほか。公開中。


『ブリッジ・オブ・スパイ』とは、ベルリンの西にあるハーフェル川に架かったグリーニッケ橋のこと。ドイツが東西に分断されていた時代には、東側と西側のスパイ交換に使われたので『パーマーの危機脱出』(66年)や『エスピオナージ』(73年)などのスパイ映画によく登場した。この映画は、最初のスパイ交換を成し遂げた弁護士ジェームズ・B・ドノヴァン(トム・ハンクス)を描く冷戦秘史だ。

 1953年7月、ニューヨークの下町で新聞を売る少年が、代金の5セント硬貨を落とすと2つに割れ、マイクロフィルムが出てきた。彼は警察に届け、FBIはアメリカに潜入したKGBの暗号と断定した。

 57年6月15日、FBIはブルックリンに住む画家ヴィリアム・フィッシャー(当時54歳)を逮捕。ドイツ系ロシア人のフィッシャーはKGBの工作員として米国に住み、核兵器の情報をソ連に送っていたのだ。

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