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法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン【18】

連発する行方不明騒動に見る女児誘拐犯の"ある法則"

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

今月のニュース

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テレビ朝日のニュースより

「小5女児が行方不明に」
2014年1月11日夕方、神奈川県相模原市に住む小学5年の女児が、犬の散歩に出かけたまま行方不明に。警察の捜索では発見できず、結局15日に女児本人が自宅から20km以上離れた茅ヶ崎市の駐在所から茅ヶ崎署に電話し、無事保護。2月7日、逮捕監禁などの容疑で30歳の男が逮捕された。

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『犯罪にねらわれる子どもたち』(メディア・パル)

 2014年1月、神奈川県相模原市で、小学5年の女児が犬の散歩中に忽然と姿を消し、犬だけが自宅へ戻るというミステリアスな事件が発生。神奈川県警は、事件や事故に巻き込まれた可能性が高いと見て約250人態勢で大々的な捜索を開始し、マスコミも実名と顔写真を公開して大きく報じました。

 ところが失踪から4日後、女児自らが茅ヶ崎市の駐在所から茅ヶ崎署に電話をかけて保護されるや、連日繰り返された報道がぱたりとやんでしまった。それを受けてネット界隈では「性的暴行を受けていたので報道規制が敷かれた?」「誘拐犯に口止めされている?」等々さまざまな憶測が飛び交いました。

 その時点で私は、報道の内容からこの事件の真相を推測しました。結果的に、事件発生から約1カ月後の2月7日に犯人が逮捕されるに至り、私の予想は外れていたことが明らかになるのですが、推測の過程そのものは有意義なものでした。そこで今回はこの相模原の事件について、過去の未成年者の失踪・誘拐・殺害事件との比較などを交えつつ分析し、そこから見えてくるものについて論じてみましょう。

 犯人逮捕以前の段階で、今回の事件の真相としては、以下の3つのケースが考えられました。まず、家出もしくは迷子。次に、何者かによる誘拐。最後に、“神隠し”です。

 まず、家出・迷子の可能性について検討してみましょう。報道では、「賢くてしっかりした子」「明るくいい子」という女児に対する近隣住民のコメントが引用され、普段から家出をするような素行不良はなく、また迷子になるような知的障害などがないことが暗に示されていました。さらに公開された顔写真からも、一般的な家庭に育ったごく普通の真面目な子という印象を受けます。そもそも、ひとりで犬の散歩をしていたという状況からして、突然家出したり迷子になったりするとはまず考えられません。

 家族や警察の動きも、単なる家出でないことを裏づけるものでした。父親は、失踪後わずか3時間弱で警察に捜索願を提出していますし、警察の反応も早かった。家族や現場には、「家出ではなく事件か事故に違いない」という感触があったのでしょう。

 その点、例えば同じく14年1月に発生した、大阪市で行方不明になった中学1年の少女が12日ぶりに保護された事件などは、様相が大きく異なります。この事件の場合、家族から捜索願が出されたのは失踪から2日後のこと。警察も、一応公開捜査に踏み切りはしましたが、報道によれば所轄の鶴見署のみの対応だったようで、相模原の事件ほど深刻な事態とはとらえていなかったように見受けられる。警察は、家出した小中学生を年間8000人以上保護しているわけですから、当然といえば当然でしょう。大阪の事件は、たまたまタイミングが相模原の事件と重なったために大きく報じられてしまっただけで、ごくありふれた家出の事案なのです。

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