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法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン【14】

統計データに見る「振り込め詐欺急増」の真偽

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の”意図”──。

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「特殊詐欺が現在急増中」
警察庁の調べで、2013年上半期の振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害総額が211億7000万円に上ったことが判明。これは過去最悪だった12年を上回るペースで、1件当たりの被害額も増加している。被害者の84%が60歳以上、検挙者の17%が20歳未満だった。

「振り込め詐欺」というと、読者のみなさんはどのようなものをイメージするでしょうか? ターゲットとなった老人のもとへ、ある日突然電話がかかってくる。相手の男はその老人の子や孫を名乗る。相手は「事故を起こして示談金100万円が必要になった。銀行口座に金を振り込んでほしい」と訴える。その後かわるがわるに「警察官」や「弁護士」が電話口に現れ、焦った老人は銀行口座に入金してしまう……。

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『振り込め詐欺師の正体!』(廣済堂出版)

 実は、今やこのように銀行口座に直接振り込ませるタイプは非常にレアです。代わりに主流となっているのは、関係者を装った者が直接現金を受け取りにくるというパターン。つまり振り込め詐欺は、実質的にはすでに「振り込め」詐欺ではなく、その呼称とはかけ離れた犯罪になっているわけです。

 被害の推移についても同様のことがいえます。2013年上半期、振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害総額が前年同期比36%増となった──。13年8月の警察庁のこの発表を受け、各メディアは「振り込め詐欺被害が過去最悪のペース」と一斉に報じます。しかし、認知件数や被害額の推移のグラフをよく見てみると、実際にはどちらも単純増を続けているわけではなく、激減した時期があったり手口のはやりすたりがあったりする。つまりその実態は、「振り込め詐欺激増」というほど単純ではないのです。

 では実際のところ、「振り込め詐欺」とはなんなのか? どんな要因によってどう盛衰し、現在いかなる状況にあるのか? 社会状況や法制度とグラフとを照らし合わせながら解説したいと思います。

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