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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第50回

猿と人間の間に横たわる違いとは? 人間として育った猿が投げかける答えなき問い

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雪に隠れた岩山のように、正面からは見えてこない。でも、映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる。超大国の真の姿をお届け。

『プロジェクト・ニム』

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1973年、心理学者ハーバード・テラスは、1頭のチンパンジーを人間の子どもと同じように育て、「どれだけ人間に近づけるか」という実験を開始した。その実験の被験体となったチンパンジー・ニムの生涯を追ったドキュメンタリー。

監督/ジェームズ・マーシュ 第24回東京国際映画祭(10月22日~30日)にて、25日と27日に公開予定


 今年公開された『猿の惑星・創世記(ジェネシス)』は、「現実の写し絵」という、オリジナルの『猿の惑星』シリーズのスピリッツを引き継いだ映画だ。

 黒人の公民権運動の最中に公開された『猿の惑星』(1968年)は、文明化した猿に人間が奴隷化された地球を描いて、白人に奴隷の立場を思い知らせた。続く『続・猿の惑星』(70年)は、冷戦時代の「核による平和」を揶揄していたし、三作目『新・猿の惑星』(71年)は、ベトナム反戦運動と女性解放運動を反映していた。『猿の惑星・征服』(72年)では、公民権運動指導者のキング牧師やマルコムXが暗殺され、怒った黒人たちが全米各地で暴動を起こした事実を描いている。

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