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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第36回

虚言か陰謀か? 資本主義とオイルビジネスの崩壊

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【今月の映画】

『COLLAPSE』

 CIAと麻薬製造の関係を調査するクリス・スミスは、かつてロサンジェルスの警官だったマイケル・ルパートに出会う。だが、彼の口から発せられたのは、麻薬の話ではなくオイルビジネスと国家崩壊の密接なつながりだった。ブッシュ政権のイラク侵攻やバイオエタノールの開発まで、知られざるエネルギーと国家の関係が浮き彫りになるが……。

監督/クリス・スミス 出演/マイケル・ルパート


『コラプス(崩壊)』は、トーキョーMXテレビで毎週金曜夜11時半から放送中の『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』で10月に放送予定です。

 2009年2月、ドキュメンタリー映画作家クリス ・スミスは、CIAのコカイン密売についての映画を作るため、取材をしていた。

 CIAは過去に2度、麻薬密売にかかわっている。最初は1960年代の終わり、ベトナム戦争の最中。ベトナムの隣国ラオスの社会主義勢力を抑えるため、CIAは密かに地元の山岳民族を反共ゲリラへと育てた。その時、山岳民族は、ケシの実から作るヘロインを密売して資金を稼いでいたのだ。

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