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第1特集
『スパイダーマン』だけが「アメコミ」ではない!

アメコミ市場を席巻するグラフィックノベルと変容するアメリカのマンガ環境

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──マンガは世界に誇るべき日本のコンテンツ、とはよく耳にするが、世界のコミックス事情と相対化せずにそう口にするは、ただのバカだろう。そこで、ここでは90年代後半よりブームといわれてきたアメリカのコミックス市場、とりわけ「グラフィックノベル」について紹介しよう。

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David Mazzucchelli『Asterios Polyp』 PANTHEON Books, 2009, p42より。実験的な作品であるが、主人公の中年オヤジが良い味を出している。

 アメリカにおけるコミックス流通の最大手であるダイアモンドコミックスによれば09年度のコミックスの売り上げは4億2900万ドル、前年比2%のダウンである。

 02年以降「コミックスブーム」といわれ、毎年右肩上がりの成長を続けてきたアメリカのコミックス市場だが、08年のほぼ横ばいに続く今回の年間売り上げが下降に転じ、「ブーム」としては収束したと見てよいだろう。

 80年代までのアメリカのコミックス出版は「コミックブック」と呼ばれる32ページ程度のパンフレットスタイルのものが主流だった。流通上は書籍ではなく雑誌扱い(正確にはそうもいえないのだが)のコミックブックは基本的には読み捨てられる媒体であり、もともとは単行本にまとめられることはないものだった。

 90年代後半以降、専門店(コミックショップ)向けに特化したマニア向けのコレクターズアイテムになっていたそのコミックブック掲載作品が単行本化され、一般書店で売られるようになったことで、マンガがアメリカ社会のなかで一般化していった。これが21世紀アメリカにおける「コミックスブーム」である(このあたりの経緯は拙著『戦争はいかに「マンガ」を変えるか』(NTT出版)を参照されたい)。

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