【Michelle Rodriguez】爆走カリブ海ラテン魂!

――人類とは旅する動物である――あの著名人を生み出したファミリーツリーの紆余曲折、ホモ・サピエンスのクレイジージャーニーを追う!

ミシェル・ロドリゲス

(絵/濱口健)

一時期はヴィン・ディーゼルと交際していたらしい。2010年代には「私はどちらもOK。男たちに興味があるし、女の子にも。好奇心が強すぎて、どちらも試さずにはいられない。つまりLGBTのB」と宣言、世の同胞たちを勇気づけた。

ヴィン・ディーゼルは――見た目に反して、と人は言う――実のところ演劇がバックグラウンドの正統派俳優であり、子どもの頃から舞台に立ってきた。一方、01年から長きにわたり彼にとってスクリーン上の恋人であり続けている人物は好対照だ。演技経験ゼロのまま、たまたま見かけた映画のオーディションに応募し、驚異的な倍率を勝ち抜いて主人公を演じたことでアクターの道を歩み始め、今日に至っているのだから。

ミシェル・ロドリゲスこと〈Mayte Michelle Rodriguez〉は、1978年7月12日生まれ。生地はテキサス州サンアントニオだ。すぐ南にメキシコがあるテキサスは『マチェーテ』の舞台であり、当然だがメキシコ系移民が多い土地である。『ワイルド・スピード』シリーズの出発点はロサンゼルスで、こちらもメキシコ系多数。そして『マチェーテ』のルースにしろ、『ワイルド・スピード』のレティにしろメキシコ系だ。そんなミシェルがまったくメキシコ系ではないという事実には、やはり驚く。実はミシェル、ドミニカ系&プエルトリコ系なのだ。もちろん、アメリカの国勢調査ではメキシコ系と同じ「Hispanic or Latino」という枠に入る旧スペイン領ラテンアメリカ系とはいえ、大陸国家メキシコと、島国であるドミニカ共和国やプエルトリコでは文化も違うだろう。そして、イスパニョーラ島をハイチと分け合う独立国のドミニカと、アメリカ合衆国傘下の自治領プエルトリコの間にも、やはり差がある。さらにロドリゲス家の場合は、アメリカ陸軍に所属するプエルトリカンの父が色白で、ドミニカンの母は色黒。その2人は愛し合っていたにせよ、両ファミリーの間には人種的対立があったという。

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