【アッシュ・ハドソンのアングラ見聞録】「俺たちの人生は死か刑務所だ」ラテン系ギャングの豪快な人生

――カメラマン・デザイナー、そして親日家としても知られるアッシュ・ハドソン。そんな彼が自らが体験した日本の“アングラ文化”を詳細にレポート。

 日本では罪を犯し、刑期を終えてからビジネスを成功させる人間はたくさんいるが、それはアメリカのゲットーに住む移民たちも例外ではない。前回はゲットーの黒人で構成されるクリップスのギャング、ブーを紹介したが、今回はラテンアメリカ系の移民たちで構成されるギャングを紹介したい。

 写真の2人はラテン系二大ギャング集団〈18th Street Gang〉(エイティーンス・ストリート・ギャング)と〈MS-13〉(エムエス・サーティーン)に所属しているハッスル・ネス(右)とグライドAK47ボーイズ(左)だ。18thは主にメキシコからの移民、MSは主にエルサルバドルからの移民(多くは不法移民)で構成されている。

 不法移民というのは、国境を乗り越えてアメリカに入り、そのままいついているやつらのことを指す。裸一貫でやってきたんだから、失うものなんて何ひとつない、っていう本当にハードコアなメンタルを持つ連中だ。2人に話を聞くと、前号のカラーギャングより、もっとグロテスクな話を平気で話し出す。例えば、家でパーティをしているときにライバルのギャングが襲撃してきて銃を乱射、何人かの友人が撃たれて内臓が床中に散らばり、のたうちまわっていた、なんて話を普通に語る。日本のギャングスタも怖いが、俺の知っている日本のギャングでも、こうした話はなかなか聞くことがない。それが日常茶飯事だったっていうんだから恐ろしい。

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