映画館をはしごしまくり! アラサー“ぼっちライター”が大傑作『君の名は。』で泣いた夜

――8月26日に公開されて以降、なんと興行収入170億円超え、邦画として歴代5位を記録している大ヒット映画『君の名は。』。ちまたでは喧々諤々の意見が飛び交っており、「あえて観にいかない」などというひねくれ者も散見される同作を、“ぼっち好き”のアラサーライターが観まくってみたところ……!?

『新海誠監督作品 君の名は。 公式ビジュアルガイド』(KADOKAWA)

 公開してから約2か月、『君の名は。』を観に行かなかった。8月26日の公開以来、興行収入をぐんぐん伸ばすのを横目に、またこのままヒット作を観ずに終わるのだろう、と思っていた【興行収入は2016年11月2日時点で170億円を突破】。私はヒット作を、ヒットしているからというだけの理由で敬遠してしまうタイプの人間だ。おかげで思い切り世代であるはずの『美少女戦士セーラームーン』も『ドラゴンボール』もほとんど触れぬままここまで来てしまった。ただ、『君の名は。』に関しては、あえて観ようとしなかった理由も一応ある。新海誠監督の作品だからである。『秒速5センチメートル』や『言の葉の庭』などの過去の新海作品が私は軒並み苦手だったのだ。

 少し前に、『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)で“共感性羞恥”という感情が取り上げられて話題になっていたが、新海作品に対して抱く感覚は、それに近いかもしれない。“共感性羞恥”とは、ドラマなどで登場人物が恥ずかしい思いをするシーンで、自分の脳も同じように反応してしまい、いたたまれなくなるというもの。“童貞っぽい”と評されることも少なくない新海作品の主人公の青臭さがとてもじゃないけど見ていられないのだ。過去作品と比べてずいぶん毛色が変わった、という話も聞いていた。だが、『君の名は。』鑑賞後に嬉々として新海語りをする人は、決まって「運命の出会いがどうの」と言い出すではないか。結局“そういう作品”なんじゃないの。過去作品よりも一般向けになった? 新海作品特有の童貞臭さがそぎ落とされた? 嘘おっしゃい。『君の名は。』を語るいい歳したおじさんたちは誰もが、自らの童貞時代を思い出したような目をしている。

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