【クロサカタツヤ×片岡宰治】技術も設備も中国に負けてる!? 中小部品メーカー経営者が赤裸々に語る日本の「ものづくり」の真実

通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

2013年/GDPに占める製造業比率の比較 出典:国際連合「National Accounts Main Aggregates Database」

かつて「メイド・イン・ジャパン」の家電製品が世界を席巻したが、今では多くの電機メーカーが赤字に転落し、その地位を韓国や中国に取って代わられようとしている。一方で、日本における「ものづくり」に対する期待は根強いものがあり、それは神話とも呼べるほどだ。そうした日本の製造業の現実と、ものづくりの現場はどうなっているのか。そして再びマスとなれるのか。日本の製造業を支えてきた、中小の部品メーカーの視点から見てみたい。

クロサカ 今回のゲストの片岡さんは、大阪のプリント基板メーカーであるサトーセンの社長で、日本の製造業を支えてきた中小企業の部品メーカーの一角を担っておられます。

片岡 うちは電気製品や電子機器に使われているプリント基板を製造していて、例えば、身近なところではスマートフォンのカメラのフラッシュモジュールなんかにも使われています。

クロサカ スマホの大半が中国で製造されていますが、部品の多くが日本製です。そのため、東日本大震災で部品メーカーが被災した際は、世界中の製造業に影響が及びました。サトーセンもそうした部品メーカーのひとつなんですね。

片岡 そうです。ほかにも、いろんな企業の試作品を手がけたり、大企業が自社内で使うための「一品もの」の製造も請け負ったりしています。とあるアメリカの大手IT企業が、世界中のプリント基板メーカー約30社に試作を依頼したことがありまして、なんのために使うのかわからないほど高難度な基板だったんですが、完成品を納入できたのはうちを入れて4社だけだったとお客様が教えてくれました。

クロサカ やはり日本の技術力は高いんですね。

片岡 いや、確かに優秀ですが、技術力だけならアメリカのほうが強いと思いますよ。

クロサカ え、それはちょっと意外です。

片岡 さっきの試作品で一番優秀な結果を出したのもアメリカの会社でした。アメリカの製造業は空洞化した、なんて言う人もいますが、そんなことはありません。軍事産業や航空宇宙関連で高度な技術を持った企業があるんです。

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