面倒なのはアーティストだけじゃない イチモツを出せば一流!?厄介な海外写真家事情

――本文ではアーティストの写真事情に触れてきたが、ここでは、その被写体を撮影する側である“写真家”に目を向け、アーティストよりも面倒な実態を探ってみた。

最近では「VOGUE」の表紙を飾り、不買運動まで発展させたキム・カーダシアン。パパラッチ対策のため、月2000万円を費やしている体が、こちら「PAPER」の表紙。

 音楽アーティストのために行われるフォトシューティングは、いわば、アーティストとしての自らのイメージを上書きしていく行為だ。素の自分との間に、はっきりと線引きをしていたり、パブリックイメージを過度に作りこみすぎているようなアーティストほど、逆に素の部分のほうが強力なインパクトを持つことになる。そこに狙いを定めているのがパパラッチの仕事だ。決して、そのやり方に倣ったわけではないはずだが、被写体の素の部分をさまざまな“手法”でとらえ、それを作品に最大限に生かすのを得意とする写真家にテリー・リチャードソンがいる。

 R&Bやヒップホップといったアーバン系の専門誌『Vibe』での仕事をきっかけにキャリアを始動、ほどなくしてファッション・フォトや高級ブランドのキャンペーンにも起用されるようになり、あっという間に自身がセレブと見なされるまでになった。最近では、すっぴんのレディー・ガガの表情をとらえることに重きを置いたかのようなコラボ写真集を11年に発表。もちろん、それまでガガがイメージ作りのために、私生活を隠していた前提があってこそ効果を上げたプロジェクトではあったが、これはリチャードソンが彼女に密着してきたことで成功した。この密着もまた、彼らしい“手法”で、広告写真以外――いわば、アートとして発表してきた作品には、時に、彼自身の勃起したイチモツや性行為そのものが写し出され、ある意味、極端な形で“素”の自分をさらけ出している(ここまでくると、どこまでが“素”なのか)。

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