覚せい剤再犯防止のための刑法改正…… 揺れる回復施設の今

(写真/江森康之)

元五輪選手と薬物依存回復施設

今年2月、元体操選手の岡崎聡子が覚せい剤取締法違反で逮捕された。6度目の逮捕だった。そんな岡崎も、薬物依存者回復施設でリハビリを行っていた。それが、写真の元歌手・千葉マリアが代表を務める女性専用施設「サーズ」だ。多くの女性たちの支援に励んできたが、人手不足は否めず、新設される刑法の施行にも不安を覗かせている。

 6月、「刑の一部執行猶予制度」が新設されることが決定した。

 この改正の背景には、薬物事件の再犯率の高さがある。警察庁の統計によれば、11年の覚せい剤取締法違反による検挙者は1万2083人、うち再犯者の数は7152人となっており、再犯率がほぼ6割近くに達していることがわかる。そして、この再犯を食い止めるためには、刑罰を重くするよりも、専門医のいる医療機関やリハビリセンターなどでプログラムに従った回復訓練を受けたほうが効果的だというのだ。

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