誰も語らない「尖閣諸島問題」の暗部を激論! 小西克哉(国際ジャーナリスト)×武田一顕(TBSラジオ国会担当記者)

――9月11日の尖閣諸島国有化の閣議決定は正しかったんでしょうか?

小西克哉氏。

武田 うーん……。もう少し状況を見ないとわからないですね。外交は外国と仲良くすることだけではなくてケンカ。武器を使わない国と国のケンカなんです。

小西 ただ、これだけ緊張状態が続いている以上、現時点では失策と言わざるを得ない面はありますよね。

武田 確かにかなりマズい状況でしょう。中国の尖閣諸島に対する立場って、政府が国有化する前も今も、日中国交正常化のときの田中角栄・周恩来会談から変わってないんですよ。公開された公文書からは削除されてるけど、中国側の当局者によると、その席上で周恩来が「尖閣はほうっておこう」と提案して、田中も「そうしよう」と同意したといわれている。つまり「領土問題はある」という暗黙の了解がなされる一方で、日本による尖閣の実効支配を黙認した72年以来、ずっと同じなんです。

――そんな相手にケンカを売っておきながら、野田首相にはまるで勝算がなかったんですか?

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2024.4.29 UP DATE

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