真珠湾攻撃に田中角栄の失脚、世界経済を牛耳るユダヤ……有名陰謀論を検証してみた!

――「ユダヤは世界経済を支配している」から「K-POPの流行は韓国政府・産業界の陰謀だ」まで、世にあまねく広がる「陰謀論」をマジメに信じるのでもなく「トンデモ」と面白がるのでもなく、歴史学との関係からまっとうに議論してみると、違った世界が見えてくる?

陰謀論ケース【1】

(絵/都築 潤)

「ルーズベルトは真珠湾攻撃を知っていた!?」
反証可能度★★★★★
トンデモ度★★☆☆☆

「ルーズベルト政権は真珠湾攻撃を事前に察知していた」との主張は、近現代史における陰謀論の代表格だ。アメリカがあえて迎撃しなかった理由としては、「日本の暗号を解読済みであることを悟られないため」「参戦の口実を作るため」などが挙げられる。だが、海軍暗号は1941年12月時点では解読されておらず、また、そもそも日本海軍の無電封止は厳守され、日本の外務省でさえ攻撃目標を知らなかった、などの点が立証され、歴史学上、この説は否定されている。 膨大な資料の存在がそうした反証を可能にしたわけだが、逆に、自説に都合のいいように資料を取捨選択することも可能であり、陰謀論を生みやすい条件の揃った歴史的事象だといえる。

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