前作の実写映画も公開される『続・星守る犬』は、傲慢さとグロテスクさでいっぱい!?

──趣味の細分化が進み、ますます男女の垣根がなくなりつつある"マンガ"。いくら売れなくなってきているとはいえ、マンガ大国日本の底力は健在です! 何を読んだらいいかわからない? ならばまずはこれを読め!

2011年6月号 COMICクロスレビュー

■異形の時代劇マンガ、盛り上がり巻

『へうげもの』(12巻)
作/山田芳裕
掲載/「モーニング」(講談社)
価格/570円 発行/3月23日
戦国時代、織田信長と豊臣秀吉に仕え、武将でありながら茶の道に魅入られた"数奇者"古田織部の生涯を描く。茶聖・千利休から深遠な茶の道を学びながら、物欲にまみれた織部は、"へうげもの"(ひょうげもの/戯ける者)の道をひた走る。『度胸星』の作者ならではの歪んだ絵柄も見もの。11年4月から、NHK-BSにてアニメ化。


【脚本/演出家・麻草評】
★★★★★★★★☆☆
折り返した物語の先をどう生きる?
テンポの良さや、ド外れたハッタリ力、そして変顔は、陰惨で救いのないはずの物語に一笑を与えてくれる。信長の笑顔に始まったこのマンガが、秀吉の笑顔でようやく折り返し地点にたどり着いた。裏切り、ウソ、騙しあい。罪を重ねて散っていく者たちの中で、織部正だけは、己の欲に突き動かされて生き残る。少ない残り時間で、彼はどんなひょうげたことを見せてくれるだろうか。……といっても作中時間であと24年もあるのだけど。

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