深夜の魔法少女アニメはなぜ久々に熱狂を生む作品になったか? その真の実力を問う!

「CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評」とは?

本誌連載陣でもある批評家・編集者の宇野常寛氏が主宰するインディーズ・カルチャーマガジン「PLANETS」とサイゾーがタッグを組み、宇野氏プロデュースのもと、雑誌業界で地位低下中のカルチャー批評の復権を図る連載企画。新進気鋭の書き手たちによる、ここでしかできないカルチャー時評をお届けします。見るべき作品も読むべき批評も、ここにある!

今月の一本
『魔法少女まどか☆マギカ』

宇野常寛[批評家]×黒瀬陽平[美術家]×石岡良治[表象文化論研究]


 ディープなオタク層のみならず、ライトな視聴者層から支持を受けた結果、2ちゃんねるやツイッターではお祭り騒ぎなフィナーレを迎えたアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。放映開始前から注目度の高かった本作、その実力はいかほどだったのか?

宇野 『魔法少女まどか☆マギカ』(以下『まどマギ』)は、誰もが言うように、ある意味でゼロ年代アニメの総決算的作品といえるのではないでしょうか。戦闘美少女たちのバトルロワイアル展開で、空気系的な百合要素もあり、ゲーム的リアリズムを盛り込んでセカイ系の匂いもする。要するに前の10年にはやったものを全部詰め込んでいる。その意味においては、最大公約数的な作品ではある。けれどこれだけ詰め込んで、1クール12話できちんとまとめ上げた手腕は、率直に言って大したものだと思う。少なくとも今年を代表する作品のひとつにはなるでしょう。

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