重要なのは、売る側の誠実さ? 行動経済学から見る! 人間が"お得"と感じる割引率

――ここまでは、グルーポンに代表されるクーポンビジネス現状にスポットを当ててきたが、そもそもクーポンをお得と感じさせる心理条件というのはあるのだろうか? 人間の行動論理からマーケティングを研究する、行動経済学者の古川雅一氏に話を聞いた──。

古川雅一氏の著書『わかっちゃいるけど、痩せられない』(NHK出版)。

──クーポンで50%引きなどと聞くと、人は"お得"だと感じます。行動経済学では、そうした心理の働きをどう説明しているのでしょうか?

古川 "お得"と感じるということは、その人の中にベースとなるものがあるんです。つまり「この商品はこれくらいの値段だろう」という相場感があり、それに比べて"お得"ということです。もちろん、人それぞれ基準は違っていて、いつも別の商品を買っている人から見ると、それほどお得とは思えないかもしれない。でも、同じような基準のグループが当然いるので、そういう人たちから見ればお得ということで、商品の人気は上がります。そういった基準を、行動経済学では参照点といいます。

──クーポンを発行する側は、参照点をどのように扱っているとお考えでしょうか?

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