>   >   > ネットとともに進化するエロのシノギ/【無料アダルトサイト】の20年史

――ヤフーが日本でサービスを開始する前からアダルトサイトは存在し、20数年たった今では「エロ」と検索すれば無数のまとめサイトがヒットする。それだけ長い歴史があれば視聴方法から、サイトのあり方は大きく変わってきただろう。では、20年でどのような変化があったのか?

1708_pornhub_230.jpg
3年前にはニューヨークの名所であるタイムズスクエアに、大々的な看板広告を打ち出していたPornhub。

 インターネットの普及に伴い我々の生活にはさまざまな変化が起きたが、とどのつまり男性読者諸氏にとって、インターネットに必要不可欠なのはアダルトサイトだという人も少なくないのではないか? メールやSNSが使用できなくなることよりも、お気に入りのエロ動画が見られなくなってしまったほうが問題だと思う人もいるかもしれない。

 そんなアダルトサイトの20年に及ぶ歴史を見てみると、初期の「裏画像・サンプル動画期」、違法アップロードが横行した「P2P全盛期」、海外経由で日本のAVを視聴する「ブラウザ再生期」、そして現在の「まとめサイト集合期」と、4つの時期に分けられる。このような変遷の裏には一体、何があったのだろうか? 本企画では、アダルトサイトのこれまでの歴史をたどりながら、どのようにしてインターネット上で無視することのできない産業となっていったのかを考察してみたい。

ネット黎明期の稼ぎは月に5万円?

 そもそも、アダルトサイトが登場したのはいつ頃からだろうか? インターネットの歴史に詳しいライターのばるぼら氏はこう語る。

「日本初のアダルトサイトは1995年の『東京トップレス』。これは風俗レポや風俗嬢の巨乳写真などを紹介するサイトで、90年代時点で1日100万アクセスという驚異的人気でした」

 1日に1000人の訪問者が来れば人気サイトと呼ばれる中で、100万アクセスとはまさにお化けサイト。ただ、当時はAVもエロ本も盛んだったはずだが、人々は何を求めてアダルトサイトにアクセスしていたのだろうか?

「当時の主流は画像です。ただし、まだ検索エンジンの能力が低かったため効率よく探すために、画像サイトを紹介するリンク集が登場したり、掲示板でサイトの情報を共有していました。動画も一部にはありましたが、回線が遅く通信費もかかるのでメインではなかったですね」

 90年代はインターネット利用者も少なく、通信費も従量制。どちらかというとアンダーグラウンド文化で、そんな状況下では、やはりサイトの運営は金にはならなかったようだ。

「サイトでの広告収入は毎月5万円程度だったそうですから、多くの管理人は本職が別にありましたね」(同)

 当時の運営者はビジネスとして稼ぐことが目的ではなく、数少ないユーザーとやり取りをして承認欲求のようなものを満たせればよかった。しかし、エロコンテンツを扱うにはリスクが伴うようになり、その過程で今の「まとめサイト」につながる形態が生まれることになる。

「90年代後半、日本のアダルトサイト界隈では大きな出来事が2つありました。そのひとつが、96年に海外の無修正画像サイトの直リンクを自身のサイトに貼った者が書類送検された事件。そして99年に風営法が改正されてからは、アダルトサイトもその管理下に置かれるようになり、自分でサイトを運営したり、エロ画像・動画をアップロードするのが困難になります。この流れの中で2000年に登場したのが『動画ファイルナビゲーター』です。主に国内外のエロ動画サイトのリンクを紹介するサイトで、騙しリンクだらけだった時代に『リンク先のここを探せば動画ファイルがあるよ』と解説する優しさが初心者ユーザーに支持され、人気を博しました」(同)

 自身でアダルトサイトを運営する場合、警察に届け出をしなければならないが、一方で“リンクを貼る”というのは引用の一種であり、うまく責任を回避することができる。つまり、アダルトサイト特有のリンクを貼るという行為は、逮捕を避けるために生み出された産物なのだ。

 さらに時を同じくして、ネットに商機を見出した海外サーバー経由の無修正動画サイトの『カリビアンコム』や、風営法届出済の『DMM』などのコンテンツホルダーが、新規契約者を得るために無料でサンプル画像・動画を公開するようになる。

 かくして、ネット上にはエロコンテンツがあふれるようになり、現在のアダルトサイトの下地が作られたのが「裏画像・サンプル動画期」だったが、数分しか見られないサンプル動画に満足できない男たちは次第に違法行為に手を染めるようになり、新たなフェーズ「P2P全盛期」に突入する。

 00年代初頭に現われた「ファイル共有ソフト」は不特定多数のユーザー間での動画交換を可能にし、アダルトサイトに大きな影響を与えた。かつて、こうしたP2Pを使い、違法ダウンロードしたAVを現実で売り物にして、荒稼ぎしていたA氏はこう語る。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年9月号

日本のタブー

日本のタブー
    • 【中国】が目指す究極のディストピア
    • 【韓国人になりたい若者】と美容整形
    • 【オウム真理教】が利用したドラッグ
    • Kダブが語る【愛国ソング】の是非
    • なぜヤバい【大学】は生まれるのか?
    • 危険な【大学図鑑】2018
    • ヤバい【配信ドキュメンタリー】
    • すぐ見られる【ドキュメンタリー】12選
    • 【ジェントリフィケーション】の功罪
    • 【豪雨災害】の裏にある宅地開発
    • 【スピリチュアル】業界の最新事情
    • 流行りの【子宮系】ってなんだ?
    • 衰退する【宗教】にすがる政治家のなぜ
    • 【葬儀ビズ】と首都開教
    • 学問としての【心霊とオカルト】
    • 暴かれた【暴力団】最大のタブー
    • 減少する全国の【暴力団】

美人YouTuber"配信不可"グラビア

美人YouTuber
    • 【うなぎひまわり】禁断の着衣とは?

NEWS SOURCE

    • 活発化する【公安調査庁】のお粗末さ
    • メディアが黙殺した【タモリ】タブー
    • 【小室哲哉】不倫騒動のその後

インタビュー

    • 【湯川ひな】演技に目覚めた17歳
    • 【男劇団青山表参道X】イケメン戦国時代に殴り込み
    • 【なでしこ寿司】女人禁制の世界に波風を立てる

連載

    • 【小倉優香】基本的に不摂生なんです。
    • 【永尾まりや】自然体美女の夏の予定
    • 【朋ちゃん】を慰めるやつはもういない
    • 日本のテレビ局は韓国を見習うべき
    • 高須基仁の「全摘」
    • EZ DO【BON】DANCE爆誕
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【ジェイ・パーク】「元2PM」の看板も今は昔
    • 町山智浩/『ソーリー・トゥ・バザー・ユー』労働SFが描く暗黒郷
    • 【新聞社】が抱える病巣と復活への道
    • 小原真史の「写真時評」
    • 「念力事報」/殺人猛暑2018
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【未来のミライ】酷評から見える、相互理解の絶対的難しさ
    • ロリータの写真を撮るメキシコ人カメラマン
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 映画の世界から【ビール】道へ
    • 幽霊、草食系十字軍と不能者の憎悪。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』