97歳のドクター・中松は今も未来だけを見つめていた。脳梗塞、がん、老い、そして余命宣告……それらをすべて自身の発明によってはねのけた彼は、ついに「自らを発明」するに至る。人類に与えられた「寿命」の概念すら更新する死生観、身体論、その核心に迫れるか!?
(写真:小田駿一)
数々の発明や独自のリボデイ理論、また8度にわたる都知事選、9度にわたる国政選挙への出馬などで知られるドクター・中松こと中松義郎博士は現在97歳。しかしいまだに中松氏の社会活動は現役そのものであり、すでに次回の都知事選への立候補宣言もしている。
75歳で脳梗塞に罹り、94歳でそれが再発。また86歳のときに導管がんと診断されたさいには余命2年の宣告も受けた中松氏は、誰よりも「死」と対峙してきた人物のひとりだともいえそうなものだが、むしろ「死」なんかよりも「生」と前向きに対峙することで忙しいようだ。
近著『百歳脳 ピッカピカの百歳 So what?』(青志社、2024年)では「死ぬまで生き生きと生きる。さらにそこを超えて「百歳の先」をワクワクしながら楽しく創造する」という態度を示している。
人生100年時代ともいわれる現代日本においては、特に中松氏の態度や思想から学ぶことも多いはずだ。このたびはそんな中松氏に、主に身体論の側面から、生と死、そしてその先のことについてお話しいただいた。
──先生は率直に「死の定義」をどのようにお考えですか。
中松 まず僕は、いかに生きるかを考えているのであって、死の定義なんて考えない。
──医学的な死は誰にでも必ず訪れますが、その点について思索することはないですか?