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【16】ANARCHYが惚れ込んだ色彩豊かな次世代ラッパー

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「聴く人の背景になれるような、寄り添える曲を作り続けたい」──巷を騒がすであろう、陰と陽を巧みに使い分ける21歳のラッパーの心情を探る。

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(写真/cherry chill will.)

「なりふり構わない」「荒々しい」「男気にあふれている」──今の時代、ヒップホップのかっこよさを表現するとき、どんな言葉を選ぶか。1stアルバム『ツキトタイヨウ』をリリースしたばかりのミステリアスなラッパー〈16〉の立ち居振る舞いを表現するなら、「セクシー」という言葉がフィットする。独特の旋律を携えたフロウや、既成概念にとらわれない言葉選びは、唯一無二の存在となる可能性を秘めている。

彼は福岡を拠点に活動する8人組ヒップホップクルー〈Deep Leaf〉のメンバーとしてデビューし、楽曲「LALALA (Hip Hop Musical)」のバイラルヒットで頭角を現した21歳のアーティストだ。その曲の完成と共に、16は地道なストリートプロモーションの一環として、聴いてもらうべきヒップホップ関係者にSNSを通じてDMを送ったという。そこで彼らの才能に魅かれ、フックアップすることになったのが、ご存知ANARCHYだ。「どこに住んでる? 何歳?」と、言葉だけを見たらナンパに見えなくもない返信ではあるが、そのリアクションをきっかけに、Deep LeafとANARCHYには蜜月が訪れる。そして、昨年12月に発売されたANARCHY監修の『THE NEVER SURRENDERS COMPILATION』で、Deep Leafは「Atsuryoku」なる楽曲で共演を果たした。結果、ANARCHYは16の未知なる才能に惚れ込み、自身のレーベルと契約を結び、前述したアルバムの制作へと着手した──というのが、いわゆる16の成功物語だ。まずは彼の音楽観について聞く。

「ヒップホップとの出会いは16歳くらい。Deep LeafのメンバーのLOX.BLACK.BACKから『ラップしようぜ』って誘われて、それまでは聴くだけだったんですけど、特に抵抗もなくラップを始めました。ヒップホップ以外の音楽も好きで、新しいものに触れる感覚や、吸収していく過程で湧いてくる疑問とか、その瞬間瞬間が大切だと感じていて。それを音楽として形にすることが自分らしさなのかなって思ってます」

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