サイゾーpremium  > 連載  > 友清哲のビールの怪人【2】/和食に合う食中酒を求めて【ビール】を造る

――すべてのビール党に捧ぐ、読むほどに酩酊する個性豊かな紳士録。

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『麹でつくる甘酒のレシピ』(池田書店)という著書もある堀澤宏之さん(45)。月曜定休。シンキチ醸造所は、JR高崎駅から徒歩で約15分。和食のつまみと常時3種の自社製クラフトビールを堪能できる。

 白衣観音で有名な群馬県高崎市にシンキチ醸造所がオープンしたのは、今からちょうど2年前のこと。

 なんでも、オーナーブルワーの本業は料理人で、著書まである和食の本格派だという。これはこだわりあふれるビール論にありつけそうだと、早速取材に出向いたところ、いただいた名刺を見て、まず意外に感じてしまったことがある。

 お名前は堀澤宏之さん。てっきり“シンキチさん”が登場するものと思い込んでいたのだが……。

「これ、大昔にあるキャバ嬢から『うちのおじいちゃんに似てる』と言われたのが由来なんです。そのじいさんの名がシンキチさんで。なんとなく印象に残っていたので、年を取ってもビール造りを続けられていればいいなという願いを込めて、店名に拝借しました」

 特にお気に入りの嬢だったわけでも、長く通い詰めた店でもないそうだから、当のキャバ嬢が知ったらびっくりだろう。

 ともあれ、これはやはりただ者ではなさそう。まずは料理の世界へ進んだワケから聞いてみた。

「もともとは教師になるつもりだったので、大学は教育学部に進みました。ところが教職を学べば学ぶほど、自分にはこの仕事は向いていないと感じ、卒業後は農業をやろうと思っていたんです。でも、当時は今のような就農ブームもなく、周囲は猛反対。ならば、食材の加工技術を身につければつぶしが利くだろうと考えたのが、和食の道に進んだきっかけです」

 果たして、20代半ばにして故郷の群馬県伊勢崎市で割烹店を開いた堀澤さんは、2014年に高崎市に移り、現在はこのシンキチ醸造所のほか、駅前に和酒バル「ザブン」を経営中。そんな中、クラフトビールの自家醸造を思い立ったのは、ひとえに「和食に合うビールが存在しないから」だという。

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