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【premium限定連載】芸能評論家・二田一比古の芸能ゴシップ今昔物語

加護亜依と結婚を発表した後藤真希――モーニング娘。の看板を使う劇的“復帰”騒動の懐事情

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『go to natura…』

――加護亜依に続き、ゴマキこと後藤真希が結婚発表と共に芸能界に戻ってきた。「これで矢口真理が戻り、元モー娘。お騒がせ三人娘として新たなユニットを組めば、かなりの話題になる」という話まで囁かれ出していた。

 引退して身を引いても戻ってくる芸能人がいる時代。活動休止なら「休止解除」で戻るのも自然なことではあるが、なんとなく違和感も覚える。活動休止→復帰で思い出されるのは、キャンディーズと都はるみだろう。「普通の女の子になりたい」「普通のオバさんに戻りたい」で休止したものの、それぞれ復帰を果たし、休止前よりも精力的に活動していた。

「キャンディーズの三人はあまりの人気に、当時相当なハードスケジュールだった。普通の女の子のような生活をしたいという気持ちからの引退でした。決して芸能界がイヤになったというわけではなかった」(音楽関係者)というが、引退しても世間はそう簡単に彼女らを普通の生活には戻してくれなかった。

 メディアは「普通の生活に戻った三人の今を追え」と三人それぞれの実家近くを取材。「某店でケーキを食べていた」といった話でも記事にしていた。当時は普通に外にも出られない状態だったと記憶している。すでに顔が全国区になっていた人気アイドルが普通の生活をしたくても、世間はほっておかないのだ。さすがに演歌のはるみを追うことはなかったが、一年ぐらいで復帰している。普通の生活をしてみて、初めて芸能界の素晴らしさを知ったのだろう。

 加護と後藤のケースは少々、事情が違う。加護は数々のスキャンダルで活動休止に追い込まれた。後藤はモー娘。卒業後、ソロ歌手として再起を図ったが、鳴かず飛ばずの状態に加え、母親の急死など家庭の事情も含んでの活動休止。

 しかし、「時期が来ればカノジョらは戻ってくる」と誰もが思っていた。それほど芸能界には魅力がある。モー娘。全盛時代、二人はグループの中心として活躍。年収は数千万円を超えていたと言われている。

 加護も後藤も全盛時に稼いだお金で家を建てている。ゴマキ御殿と近所で呼ばれる豪邸だった後藤。加護の生活も華やかだった。奈良の田舎町にあった加護の実家。田園地帯が広がるなか、加護が建て替えたと言われる「白亜の家」はひと際目立っていた。

 東京の生活も母親と祖母が定期的に上京。母親は加護の生活の面倒を見て、祖母が購入したベンツで加護を送り迎えしていた。奈良に残された父親は変則的な単身生活を余儀なくされていた。

 どこにでもいる中高校生だった子が一日にして「スター」になり生活環境が一変する。これが芸能界の魅力であり魔力でもある。むしろ「金力」と言い換えたほうがいいかもしれない。お金の魅力も復帰の背景には必ずつきまとうものである。近年、歌手の復帰ブームが盛んだ。

 かつて活躍した人気歌手やグループが復帰を果たす。復帰するには大義名分が必要となってくる。「まさかまた“金儲けしたい“からとは言えない。ファンの熱望に応えて」といった大義が必要になってくる。最近は、「震災を見て、なにかの力になりたい」といった復帰理由を言うが、やはり「商売」という背景が見え隠れしている。

「芸能界を辞めて他の仕事で成功。忙しくしていたらまた歌手に戻る暇などないはず。やはり他の仕事と芸能界の仕事では収入に大きな格差がある。それでなくとも、芸能界はつぶしの利かない世界。“夢よもう一度“という気持ちになるものです」(芸能関係者)

 こうして次から次へと復帰するが、必ずしも成功するとは限らない。特に加護や後藤となると厳しい面もある。二人ともモー娘。のメンバーだったから人気があった。モー娘。という看板が大きかった。ファンもメンバーの一人として応援していた。その肩書が取れたらただの一人の歌手。ヒット曲もグループとしてはあったが、ソロとしてはない。これで復帰しても果たしてファンが戻ってくるかどうかは疑問。元モー娘。が全員集合してかつてのヒット曲を歌うコンサートをすれば、当時のファンが懐かしさで戻ってくるだろう。

 グループからソロへの転身は難しい。結局、歌ではなく、バラエティー出演などでお茶を濁す。それも、そう長くは続かない。バラエティーのひな壇は新陳代謝が最も激しいからだ。

「復帰はわりと簡単にできるが、活動を継続していくのは難しい。復帰した時の新鮮さだけで話題にはなるが、一過性で終わってしまう可能性もある」(音楽関係者)

 加護とゴマキでどこまで再ブームを作ることができるか――。

ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母顔が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演。


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