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キングオブコメディ・高橋健一とアイドルライター・小明の「卑屈の国の格言録」第24回

【最終回】小明の最高傑作はサイゾーでなく講談社である

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どんなに立派なお言葉も、決して素直に受け取らない卑屈家が2人。そのこじれた思考に、偉人たちの格言を浴びせてみると……?

今月の格言

私の最高傑作は次回作である

チャーリー・チャップリン(Charles Spencer Chaplin)
1889年、イギリス生まれ。映画監督・俳優。作品の制作から脚本、主演、音楽まですべてこなし、数々の傑作を遺して「喜劇王」と呼ばれた。1977年没。

 丸2年ほど続いたこの連載も、今回でついに最終回です……感動のフィナーレにしましょうね! この2年、どうでした?

 2年間を一緒に振り返ろうと思ってもさぁ、20代の2年と40代の2年って密度が違うから、俺のほうが絶対薄いよね。2年なんてほんと、ついこないだだよ。

 ああ……年を重ねると1年があっという間というアレですね。

 うん、4~5年でやっと一区切り。2年なんて、もう半年いかないくらいの感覚。

 この連載が始まった時には、パーケンさんはもう40代でしたもんね。

 そうですね。私の41歳の始まりとともにこの連載は始まったんだよ。要するに私が「天才バカボン」のパパになった年から。41歳の春だから。

 そうですね。でも、バカボンのパパは結婚して子どももいますよ。

 そ、そうね。まぁ、あそこんち(バカボン一家)はママが素晴らしい人だから。

 そういう人が現れなかったんですね。私もパーケンさんと初めてお仕事をご一緒したときは、なんて素敵な人だろう、と思いましたけど。

 お、いいね、もう少し褒めて。

 なんて素敵で、えーと……。

 待つよ、がんばって。

 えー、あ~……今ちょっと出てこないですけど、時が経つにつれて暗黒面がズルズル出てきて、罵り合っただけの回もありましたね。お互い独身のままですし……。

 俺も小明ちゃんと何か過ちを犯さないかと思ってたけど、ずっと正しい道を歩んで来ちゃった。お互いなんの過ちも犯さず、若気も至らなかったね。

 若い健康な男女って、2年あれば何かしら間違いがあったりするのに……。

 我々若くないから。

 ……。というわけで、今回の格言は「私の最高傑作は次回作である」というチャップリンのお言葉です。なかなか最終回にふさわしいんじゃないかと。

 芸人からしたら、チャップリン師匠の言うことに逆らうわけにはいかないからね。すべての芸人はチャップリンを目指してきてるから。

 ほんと!? パーケンさんはチャップリンに影響を受けたんですか?

 そりゃそうだよ? あんまりしゃべらないでもおもしろいし、全部字幕になるところとか最高に憧れる。

 それはパーケンさんの滑舌が悪いからじゃ……。

 私が物心ついたときには、師匠は亡くなっていたので、この言葉は燦々と輝いて見えるんですけど、生きている時にこれを言うのは、相当リスクありますよね。

 たとえば現役の映画監督さんがこれを言ったら、私は「あ、今回のやつ自信ないんだ」「外す前に受け身とってる(笑)」って思いますね。

 今日もやな人だね。いろんなスタッフさんの協力のもとで作ってるから、いかに良い作品かっていうのを、自分が思ってなくても言わざるを得ないって状況があるだろうしね。やっぱり『ザ ラストメッセージ 海猿』の公開発表の時に「観てください! でも最高傑作は次回作!」とか言っちゃうと「え? 終わらないの?」ってなっちゃうじゃない。小明ちゃんは、この不思議の国の……なんだっけ?

 え? 「卑屈の国の格言録」のこと? 2年やった自分の連載のタイトルも覚えてないんですか、信じられない。

 その国のなんとやらの中で小明ちゃんの最高傑作は何?

 それは……うーん……(沈黙)。

 まず、この連載自体が傑作じゃないわけでしょ?我々の中で。

 そんなこと……ないですよ……。

 やっぱりほかの仕事のほうがデカいんでしょ? 小明ちゃんは、ほかには何に書いてるの? 「月刊貧乳ライフ」とか?

 そんな雑誌ねぇよ。いろんなところで書いてますよ。「BUBKA」では8年くらい書いてましたし、講談社の少年誌とか、ホビージャパンのサバゲー雑誌とか、あとは単発でもいろいろ……。

 すごい! そんなちゃんとした会社でやってるんだから、「私の最高傑作は講談社のやつである!」って言えばいいじゃないの。でも、これはいつ残した言葉なんだろう。晩年にも聞いてみたいよね。意外と「『ライムライト』です!」とかハッキリ答えたらおもしろいね。遺書とかにさ、「正解は『独裁者』でした!」とか書いてないのかな? 小明ちゃんの連載の中で、「卑屈の国の格言禄」の順位は何位?

 え!? どうかな……(沈黙)。

 ああ、そりゃ連載も終わるね。

 この連載も始めの頃はまだパーケンさんも優しかった。だんだん大事にされなくなってきたのを、テープを起こしながら感じていました。

 じゃあ我々の最高傑作は、次のちゃんとした仕事ですね。これでいいのだ!

 よくないよ!  

(構成=小明)

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小明(あかり)
1985年生まれ。02年、ホットドッグプレスドリームガールズ準グランプリを受賞。サイゾーよりCD「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。サイゾーテレビ『小明の副作用』出演中。なぜか当連載を1回目から加筆修正中。


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高橋健一(たかはし・けんいち)
1971年生まれ。お笑いコンビ・キングオブコメディとして『キングオブコント2010』優勝。愛称はパーケン。サイゾーテレビ『ニコニコキングオブコメディ』出演中。小明の加筆修正版をさらに修正中。

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