サイゾーpremium  > 特集  > 宗教  > 有名人こそ出演すべし!! 【宗教機関誌寄稿者】の本音
第1特集
電車内広告を賑わせる有名誌からマイナー誌まで!

有名人こそ奮って出演すべし!! 宗教機関誌寄稿者の本音

+お気に入りに追加

──「宗教機関誌では占いコーナーはNG? 宗教団体の機関誌から読み解く信者の日常と本質」「肉食禁止レシピ、防災マニュアル、霊言……読みごたえ抜群? この宗教機関誌を読め!」では、さまざまな宗教系機関誌のトピックスに目を向けてみたが、これらの媒体には驚くほど多くの有名人が登場している。また、そうした彼らを見ると、「もしや、教団の信者か?」と勘繰ってしまうこともしばしば……。そんな宗教系媒体に登場する有名人の本音に迫ってみた。

1401_celeb_01.jpg
幸福の科学出版が発行する「ザ・リバティ」は、公式ウェブサイトも公開している。

 電車内の中吊りで「第三文明」の広告が目に入り、そこに有名人の名前を発見すると、「この人も創価学会の会員なのかな……?」などと考えてしまう人は多いだろう。しかし、実際に雑誌を手に取り、その記事の内容まで確認する人は少ないはずだ。

 そこで今回、「第三文明」をはじめとしたさまざまな宗教機関誌の過去1年程度のバックナンバーを総ざらい。そこに登場した有名人たちの傾向や、その発言、誌面での扱われ方を分析してみたい。

 まず気づくことは、やはり会員数が多い教団は、複数の機関誌を発行していることだ。例えばPL教団であれば「PL」「PLASMA」「自己表現」などの雑誌がある。そして「PL」は中高年向け、「自己表現」はやや若め、「PLASMA」は中高生向けなど、雑誌別に年齢のターゲットを変えているのも特徴だ。なお世間で名の知れた有名人が登場する雑誌は、その内1~2誌に限られており、ほかは教団の最新情報など、信者に対する内輪向けの内容が中心になる。このような戦略は多くの教団に見て取れた。

 また、雑誌に有名人を一切登場させない教団もある。「日時計24」(若者向け)、「いのちの環」(中高年向け)などの雑誌を発行している生長の家はその一例だ。統一教会の「トゥデイズ・ワールド ジャパン」も同様で、内容は豪華絢爛な式典のレポートなどが中心になっている。

 では、有名人のインタビューを積極的に掲載している教団の雑誌もチェックしていこう。

 まず前述のPL教団では「PLASMA」の巻頭インタビューに有名人が多く登場する。過去1年の間に掲載されたのは、映画評論家の有村昆、声優の佐藤聡美、フリーアナウンサーの渡辺真理などだ。内容はその人の仕事の内容に絡めながら、「夢」「努力」といった部分に焦点を当てるもの。これは他教団機関誌のインタビューにも見られた傾向だ。

 また、これも共通していることだが、誌面に登場した有名人は、その教団のことや、信仰については一切語らない場合が多い。そして「登場している有名人は、その教団の信者なのか?」かという素朴な疑問に関して、ある宗教雑誌の編集者は語る。

「有名人へのインタビュー依頼は、半分以上が断られます。宗教団体の雑誌であることを隠して申し込むと後々問題になるので、そこは最初に明言しますからね。出演してくれるのは、『依頼は基本的になんでも受ける』というスタンスの人。テレビで活躍するタレントとなると、やはり『宗教の色が付くと活動に支障が出る』と考えるのか、出たがらない人が多いですね」

 信者であろうとなかろうと、有名人にとって、特定宗教の雑誌へ出演することには大きなリスクがつきまとうのかもしれない。こういったところにも、日本人の宗教アレルギーが散見される。

 さて、話を教団機関誌に戻すと、天理教の雑誌にも有名人が多く登場している。例えば「大望」という雑誌には、元バレーボール選手の川合俊一、芸人の宮川大助、日本サッカー協会最高顧問の川淵三郎、力士の日馬富士などの名前が見られた。そこで日馬富士は次のような発言をしている。

「全身全霊で相撲を取るということは『魂で勝つ』ということです。『魂』とは、神様や先祖、そして自分の生きざまなどを合わせたもの。人間の核のようなものだと、私は考えています」

 このように、目には見えない精神について熱く語る部分は、宗教団体側には“オイシイ”部分のようで、ほかの雑誌でも見出しとして大きく掲載される場合が多かった。スポーツ選手が宗教雑誌のインタビューに多く起用されるのも、その種の発言との相性が良いからだろう。

 一方で「プロの書き手として媒体を選ばない」というジャーナリストも、宗教雑誌には多く登場する傾向がある。「第三文明」でもスポーツ選手との対談連載を持つ二宮清純がその代表例だろう。また自己啓発系の書き手も宗教雑誌には多く登場する。その一例が「大望」の特集にも登場し、「第三文明」でも連載を持っていた中谷彰宏だ。彼は「大望」の『説得力』に関する特集で、『勧誘のコツ』について語るという際どい内容に挑戦していた。内面の悩みに関して、ストレートな解決法を提示してくれる自己啓発系の書き手は、やはり宗教と相性が良い部分もあるのだろう。

1401_celeb_02.jpg
創価学会の総本山・信濃町の書店には関連の書籍や雑誌が並ぶ。

 こうした中、やはり巨大新宗教団体・創価学会系の雑誌は、出演者の豪華さもケタ違いだ。

「第三文明」では茂木健一郎、二宮清純、雨宮処凛、アグネス・チャンらが連載を担当。社会問題を扱う特集では津田大介、勝間和代、湯浅誠、荻上チキ、森永卓郎、小田嶋隆といった一般誌(本誌含む!)でもお馴染みの論客が多く登場する。

 そして他誌との違いは、登場する人々が、公明党や創価学会についてコメントをする場合が多いことだ。例えば次のような発言を見ることができる。

「公明党には良くも悪くも利権がありません。利権に頼らない公明党には、自民党に対する監視機能としての役割を期待します」(勝間和代)

「今度の参議院選挙は、公明党の真価が問われる選挙です。大げさではなく、公明党が“日本の存亡”を握っているといっても過言ではありません。ぜひとも、平和と平等を訴えて力強く戦ってほしいと思います」(森永卓郎 ※先の参院選前の記事)

 これらのコメントは、2人が評論家の立場から公明党の政界での存在意義について客観的に述べたものだが、多少のリップサービスも感じられる……。

 こうした宗教団体の機関誌に出演する有名人の言い分は、どのようなものなのだろうか? 実際に幸福の科学の雑誌「ザ・リバティ」で連載を持つ、オカルト研究家の山口敏太郎氏に話を聞いた。

「3~4年前に『ザ・リバティ』がUFO特集をやったときに、『UFO関係者に軒並み断られてしまい、このままだと特集自体が組めません』と編集者に泣きつかれたんです。実は総裁の大川隆法さんが自分の高校の先輩だったこともありましたし、困っている人をむげにはできない。そして頭に浮かんだのは、僕の好きなプロレスラー・天龍源一郎のこと。全日本のトップに立つ存在でありながら、相手を選ばずどんなリングにも上がる“天龍イズム”を自分も物書きとして貫きたいと思い、協力することにしたんです」

 こうした熱い想い(?)があった山口氏だが、雑誌出演にあたって条件を提示した。

「まず私が『真言宗信徒である』という事実を明記すること。幸福の科学の会員と勘違いされることで、親兄弟や親戚に迷惑がかかる可能性も考えられますからね。そして教団のヨイショもしませんと伝えた。それに対して『それでも構いません』との返事だったので、なかなか懐の深い雑誌だなと思いましたね」

 連載を始めて以降は、何か日常生活に変化などはあったのだろうか?

「『会員なんですよね?』と聞かれることがたまにあるくらいで、被害のようなものはまったくないですね。ファンになってくれた会員の人もいてうれしいんですが、『僕は幸福の科学の会員ではありません』と言うと、がっかりする人もいますね(笑)」

 そして山口氏は「物書きや専門家は、依頼を受けたら宗教雑誌にもっと出るべきだ」と語る。

「社会通念に反する組織ではなく、意見に圧力もかからないならば、私はどこのリングにも上がりますよ。『すれすれの場所で歌舞いて見せるのが、プロの書き手だろ』と思います。専門のオカルトについていえば、『宇宙にほかの文明があるのは、ほぼ確実な時代に、狭い地球で宗旨の違いにこだわっている場合か!』とも思いますし」

 UFOや宇宙文明の問題はさておき、山口氏の意見には学ぶべきところが多い。宗教雑誌に登場する有名人を、我々はさまざまな色眼鏡で見がちだが、むしろその「リスクを恐れずリングに上った勇気」を称えるべきなのだ。

(取材・文/古澤誠一郎)

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2022年6・7月号

移ろいゆくウクライナ避難者

移ろいゆくウクライナ避難者

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ