――これら3つの食事法は、どれもオーガニックかつヘルシーなものに見える。では、それぞれどう違うのか? 特徴をかいつまんでみた。
(絵/河合 寛)
【食事法1】
提唱者は心筋梗塞で死亡!
■マクロビオティック
[実践者]マドンナ、トム・クルーズ、ニコール・キッドマン、マイケル・ジャクソンなど
物事にはすべて陰・陽があり、そのバランスが取れた「中庸」の状態を保つことで健康でいられる、という考え方に基づいた食事法。玄米や雑穀、全粒粉の小麦製品などを主食とし、野菜や豆類、海草類などを副食とする。ただ、食品は丸ごと摂取するのが望ましいため、野菜は皮も根も調理し、アク抜きもしない。第二次世界大戦前後に桜沢如一が考案したといわれるが、現在ではさまざまな流派があり、それぞれの主張で食い違う点もあり。ちなみに、桜沢は1966年に心筋梗塞で他界し、弟子の久司道夫は04年に結腸がんを発症した。
[避けられる食べ物]肉類、魚、卵、乳製品、精白穀物、砂糖、コーヒー、紅茶、緑茶、食品添加物、化学調味料など
(絵/河合 寛)
【食事法2】
赤ちゃんが育たない!?
■ヴィーガン
[実践者]クリント・イーストウッド、アン・ハサウェイ、秋田昌美、リヴァー・フェニックスなど
いわゆるベジタリアンの中でも、最もハードコアに菜食を貫こうとする考え方・人々。倫理的・環境的な理由により、乳製品や蜂蜜などを含めた動物性食品をまったく口にしない。1944年に英ヴィーガン協会の共同設立者であるドナルド・ワトソンがこの言葉を初めて使用し、61年に米ヴィーガン協会の設立者H・ジェイ・ディンシャーがヴィーガニズムとインド・ジャイナ教のアヒンサー(生物に対する非暴力)という概念を結びつけた。実践者は増えつつあるが、不適切なヴィーガン食を与えられた乳幼児が栄養失調になった事例もあるという。
[避けられる食べ物]牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、卵、乳、チーズ、ラードなど
(絵/河合 寛)
【食事法3】
生理が来なくなってしまう!?
■ローフード
[実践者]メル・ギブソン、ユマ・サーマン、デヴィッド・ボウイ、デミ・ムーア、スティングなど
加熱によって失われやすい食物の酵素やビタミン、ミネラルなどを効率よく摂取すべく、生のまま食べる食事法。ただし、48度以下の加熱は許される。1900年代より欧米で提唱されてきたといわれ、実践者のうちヴィーガニズムと融合したローヴィーガンが多数派だ。彼らは果物や野菜、海藻、発酵食品、豆類、ナッツ、発芽小麦などをよく食べる。とりわけ酵素を多く含み、生食に適したスプラウトは、マスト・アイテムというべき食材である。女性がストイックに実践すると、無月経症状になりやすいというデータもあるようだが……。
[避けられる食べ物]化学添加物が含まれる食品、加熱殺菌処理された食品など