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CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評第20回──【MOVIE編】

青春神話が神映画の域に肉薄! 震災直後の感受性を正確にとらえた園子温の『ヒミズ』

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──低迷する映画業界よ、こんな時代だからこそ攻める映画を! 保守的になりがちな映画業界に喝を入れる映画評。映画を見る前にこれを読むべし!

2012年2月号 MOVIEクロスレビュー

■古谷実vs園子温feat.二階堂ふみ!

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『ヒミズ』
監督・脚本/園子温
原作/古谷実
出演/染谷将太、二階堂ふみ、吹越満、神楽坂恵ほか
配給/ギャガ 公開日/1月14日
昨年は『冷たい熱帯魚』に『恋の罪』で存在感を見せつけた園子温が、『行け!稲中卓球部』で知られる古谷実原作を実写化。ごく普通に生きたいと願う少年・住田祐一(染谷)と少女・茶沢景子(二階堂)が、ある事件をきっかけに狂った世界へ叩き込まれていくさまを描く。


【映画文筆業・那須評】
★★★★★★★☆☆☆
大人が子どもに責任を押し付けるな
テンポのよいカット割りにキャッチーなセリフが飛び交う中、父親殺しの長回しが重く効いてくる。園節と時代性が重なり、主演の2人もそれに応えている。ただ、おそらくこの物語に希望を見るのは、主に大人世代だろう。子どもたちに未来を託すのは大人の責任放棄とも言え、当事者である未成年に訴えかける方法としては弱く感じる。また、俗っぽい言葉や役回りをすべて二階堂ふみに負わせ、決定的な行動の動機を女子に頼りきっているのがたまにキズ。

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