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第2特集
北澤豪、杉山茂樹、土田晃之が語る日本一愛のあるW杯代表戦予想【4】

6月24日 対デンマーク戦「攻守のバランスがとれた"大崩れしない"組織力」

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──グループリーグ最終戦の対戦相手は"華"こそないものの、手堅い試合運びに定評があるチーム。相手にとっては予選通過がかかる大一番ゆえ、激しい試合が予想される。

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190センチを超える恵まれた体格で、デンマークの前線をささえるベントナー。

「オランダは強そうだし、カメルーンにはあのエトーがいる。デンマーク? よくわからないけど、なんか勝てそう」

 昨年12月、W杯の組み合わせ抽選後に、そんなことを感じたファンも多いのではないか。グループEにおいて、日本で最もマイナーな国、それがデンマークの素直な印象だろう。

 しかし、デンマークは本当に弱いのだろうか? いや、少なくとも、簡単に勝てる相手でないことだけは間違いない。

 欧州予選ではクリスティアーノ・ロナウド率いるポルトガル、イブラヒモビッチ擁するスウェーデンと同グループながらも、堂々の首位通過。何より、この厳しい予選を勝ち上がってきたのだから、力がないわけはない。際立ったスター選手こそいないものの、予選では10試合で5失点という堅守が光った。チーム全体でしっかり守って素早いカウンターからゴールを奪う。これがデンマークのスタイルなのだ。

 北欧ならではのフィジカル、特に高さと強さもデンマークの特長のひとつ。チームの平均身長は約185センチと、大柄で空中戦にめっぽう強いのも見逃せない。そして、2000年7月に就任した指揮官のM・オルセンは、すでに代表監督として10年目を迎えており、彼が長い年月をかけて植え付けた組織力こそがチーム最大の武器ともいえるだろう。

 トマソン(33歳)、ロンメダール(31歳)、C・ポウルセン(30歳)ら02年日韓大会から変わらない主力の高齢化は気になるが、予選を通じてアガー(リバプール)、ベントナー(アーセナル)、ケア(パレルモ)らの中堅、若手が成長したことは大きい。中でも、アガーとケアのCBコンビは大会屈指のレベルにあるともいえ、FWのベントナーもその高い潜在能力はプレミアリーグやチャンピオンズリーグの舞台で実証済みである。W杯出場は日本と同じく4回目。だが、決定的に違うのは、デンマークはそのいずれでも決勝トーナメントに進出している点だ。特に印象的だったのは86年のメキシコ大会。ベスト16で敗退したものの、グループリーグを3戦全勝で突破するなど、その破壊力ある攻撃は「デニッシュ・ダイナマイト」と称賛された。

 人口550万(兵庫県とほぼ同じ)の小国だけに、W杯は毎回出場が保証されているわけではない。しかし、出場した際には確固たる力を示し、大会の話題をさらってきた。今回のチームにかつてほどの勢いはない。それでも、攻守のバランスに優れ、大崩れがないことを考えれば、オランダ、カメルーン以上に戦い難い相手といえるかもしれない。

【分析者紹介】

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杉山茂樹(すぎやま・しげき)
1959年生まれ。大学卒業後、フリーライターとして活動。得意ジャンルはサッカー(ヨーロッパ中心)で、W杯は82年のスペイン大会から7大会連続で現地取材をしている。


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北澤 豪(きたざわ・つよし)
1968年生まれ。修徳高校卒業後、本田技研へ入社。読売クラブを経て、ヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)に所属。03年に現役を引退後、財団法人日本サッカー協会特任理事、同国際委員などを兼任。


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土田晃之(つちだ・てるゆき)
1972年9月1日、東京都生まれ。ピン芸人として活躍。芸能界きってのサッカー通、ガンダム通としても知られている。『竜平会の約束』はBeeTVで配信中!!


■ジャーナリスト・杉山茂樹が語るデンマーク戦

グループリーグ最難関の対戦相手

日本が苦手とする、長身FWのベントナー。その成長に、世界中のクラブチームが注目する。

 グループリーグの中で最もやっかいな相手がデンマーク。カメルーンとオランダはメンタルに波があるけど、デンマークにはそれがない。規律が行き届いていて効率のいいサッカーに徹するから奇襲にも動じない。格下にはなかなか取りこぼさない。番狂わせを最も起こしにくい相手といえるでしょう。

 日本が苦手とする「長身FW」のベントナーは、世界的に見ても一、二を争うほど伸び盛りだし、ポウルセンという中盤の選手は正確無比なロングパスでサイドチェンジをしてくる。チームのタイプはオランダ流だけど、オランダのような「華」がないことを自覚しているぶん、組織のまとまりには長けている。長いパスでピッチの四隅を使って広く展開するのが特徴的。つまり、日本としては生命線の「人数をかけてのプレス」が効きにくい相手ということになる。正直、日本が勝てる要素は見当たらない。

 岡田ジャパンは、マイボール時のことしか作戦を考えられていない。格上と戦えば、当然相手ボールの時間が長くなるわけで、その対応策が無に等しいというのが決定的な弱点。というのも、これまで岡田ジャパンは通算43戦して7敗しかしていない(2010年5月1日現在)。言い方を換えれば、7敗しか"させてもらっていない"、いかに格下とばかり試合してきたかということ。これでは相手に支配されるような試合も経験できていないから、格上対策も立てようがない。今さら何を言っても遅い。でも、負けるのを見るのも悪くない。要はどう負けるか。0-2とかぶざまな敗戦じゃなく、現代サッカーの潮流に乗って攻め合って、同じ2点差で負けるにしても2-4で負けてくれれば、まだ将来に希望は持てるかな(笑)。(談)


■元サッカー日本代表・北澤 豪が語るデンマーク戦

3連敗もあれば3連勝もある

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確率上、3連勝もあれば、3連敗もある今回のグループリーグ。ファンの期待にこたえられるか?

 現実的な目標として「グループリーグ突破」を考えた時に、このデンマーク戦を勝てば突破、引き分けても突破の可能性があるという状態に持っていくのが日本としてはベストでしょう。あとは、最初から決めた戦い方をぶらさずに最後まで貫いてほしいです。

 現在の日本代表の試合を見ると、発見や驚き、もっと端的に言えば「ドキドキ」がないと思われるサポーターも多いかと思います。確かに親善試合などが「準備の準備」になってしまっている節は否めません。見てもらうため、盛り上げるための演出が不足しているとも思います。でも、選手たちのレベルは確実に向上している。岡田監督も、選手たちも、心の奥底には本当は言いたいことがあるけれど、今はまだ言えないんです。それが許されるのはW杯が終わってからなんです。それがプロに課された使命でもあり、つらいところでもあるのですが......。

 すべては日本代表がどんなサッカーでW杯を戦うのか、その方針で決まるはずです。

「3連勝もあれば3連敗もある」──それが私の予想です。全試合自分たちのサッカーを続けるのか、試合ごとに相手に合わせたスタイルを取るのか。それが吉と出るか凶と出るかは始まってみないとわかりません。

 ひとつ期待するのは、結果に関係なく、W杯は日本サッカーに何かをもたらしてくれるはず、ということです。日本サッカーが将来歩むべき方向はどこなのか、それを見届けたいと思います。そのためにも、中途半端な戦いだけはしてほしくない。今、最善を尽くして信じることを思い切りぶつけて、何かを残してほしいと願っています。(談)

■芸能界きってのサッカー通・土田晃之が語るデンマーク戦

超強豪対戦の後の"戦いやすさ"

 状況として考えられるのは、デンマークにとって、この一戦がグループリーグ突破をかけたものになるということ。となると背が高くてうまくて強くて、かつ隙のないデンマークに日本が勝てる姿は正直想像できません。

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世界中のサッカーファンが驚愕した「マイアミの奇跡」で中心的な役割を果たした中田英寿。

 ただオランダと同じような体格で、パワー、スピード、テクニックが少し劣るデンマーク、オランダ戦の後だけに「あれ? 大したことないな!?」と感じるかもしれません。さんまさんと絡んだ後、ほかの番組に行くと楽に感じるみたいな(笑)。でも日本が格下であることに変わりはないし、"愚直に"勝ちにいくしかないでしょう。日本はブラジルでもなければアルゼンチンでもありません。弱いんだから必死に守ってカウンター、というサッカーでもいい。いまだに語り継がれる「マイアミの奇跡」(1996年のアトランタ五輪でブラジルに1-0で勝利)だって、内容は、9対1でおされていたわけですが、勝ったからこそ伝説になったんです。どんなにかっこ悪くてもいいから、結果を追い求めてほしい。

 僕には忘れられないシーンがあるんです。4年前のドイツ大会、仕事で現地に行き、オーストラリア戦(1-3で逆転負け)を見たんです。試合後、スタジアム外には、うなだれ、泣き崩れてる日本人サポーターがたくさんいました。それを見て、本気で「やってやろうか(怒)」と思いました。みんな仕事を休んで、4年間一生懸命お金をためて応援に来たのに。それなのに「あの試合ぶりはないだろう!」と。今回の南アフリカだって、日本人サポーターはどれだけ苦労して現地に行くことか。W杯は結果がすべて。とにかく勝利を追う。それこそ、ファンや国民が今最も欲している姿勢でしょう。(談)

(構成・写真/渡辺航滋)
(インタビュー構成/伊藤 亮)
(試合解説/栗原正夫)

近郊にカジノ都市 歴史と娯楽が混在

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[デンマーク戦] 開催都市:ラステンバーグ/キックオフ:6月24日午後8時半(日本時間25日午前3時半)/放映:日本テレビ/スタジアム:ロイヤル・バフォケン・スタジアム(収容4万2000席)

 市内から北西へ約15キロ、サン・シティに向かう途中の山中に囲まれた、フォケンという小さな町にあるスタジアム。グループリーグ4試合、決勝トーナメント1回戦1試合が行われる。スタジアム周辺には小さなスタンド屋台があり、食事ができる。

 1841年から開拓が始まり、南アでは最も歴史ある産業都市のひとつで、人口約39万人。ウラン鉱物により繁栄して階級労働者たちの足場となる要所になっており、天然資源のプラチナはアフリカ全体でも2位の埋蔵量。近郊には・南アのラスベガスとの呼び声が高い、サン・シティがある。膨大なエンターテインメントと宿泊の南ア最大級のアミューズメント施設で、カジノ、ナイトクラブ、コンサートなどを楽しめるアトラクションが揃っている。日中は温暖だが、夜になるとかなり冷えこんでくる。


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