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さまざまなミュージシャンとのコラボレーションの先に目指すものとは?

稀代のミュージック・マジシャンが、小泉今日子にポップスを歌わせなかったワケ

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(撮影/田中まこと)

 作曲家、リミキサー、DJなどさまざまな顔を持つアーティスト・野崎良太。彼が率いる、特定のメンバーを持たないミュージック・プロジェクト「Jazztronik(以下JTK)」は、ポップス、ジャズ、テクノ、ラテン音楽などを操る極めて多彩なサウンドが特徴で、クラブ・ミュージックファンの間ではおなじみの存在だ。一方で、リミキサーとしても多くのアーティストとコラボレーションをしており、そこには今井美樹、山崎まさよし、中島美嘉などのビッグネームも。今井美樹にダンサブルな曲を提供したり、山崎まさよしにシャウトさせるなどそのアレンジは一風変わっており、アーティストが持つ既存のイメージとは異なる世界観を引き出している。

 そんなJTKが今年デビュー10周年を迎え、ニューアルバム『JTK』をリリース。毎回、彼の歌モノの作品にはゲストシンガーが迎えられるのだが、今作はなんとそこに小泉今日子の名前が! これはタダごとじゃない! 早速、野崎さんを直撃してみると……。

「僕の中で小泉今日子さんって、『超メジャーにもかかわらず、アングラなフィールドでも活動するアーティスト』という希有なイメージの存在で、ずっと注目していたんです。それで思い切ってお願いしたら、快くOKしていただいて。いま思うと面識もない上、ミニマルな感じのマニアックな曲でオファーをしたので、よく引き受けていただけたなという感じですが(笑)」

 というと、最初からポップスを提案したわけではないんですか?

「ええ。JTKという枠の中で彼女の良さを引き出してこそ、共演する意味があるし、それがコラボするアーティストに対して臨むべき姿勢だと考えているので」

 こんな思いのもとに完成した今作。相変わらず多彩な楽曲が詰まった一枚で、期待値は高い! と、ここで野崎さんからリスナーにお願いがあるのだとか。

「JTKの作品っていろんな音楽が混在するから、ジャンル分けが難しくて、CD屋さんがいつも困るらしいんですよ。以前も試聴機がB'zの隣で、B'zを聴いてから僕の曲を聴いた人が、ポカーンとしているなんてことがあって(笑)。けど、僕としてはジャンルにとらわれず、先入観を持たずに聴いてほしい。そこで、少しでも興味を感じた方には、ぜひライヴに来てほしいです」

 JTKはできた作品をライヴで初披露することが多い。何度もプレイすることで、曲の完成度が高められるからだ。「このアルバムを聴いた新たなリスナーと、ライヴで曲を一緒に作り上げていけたらうれしい」と彼は言う。今作は、JTKからの我々に向けたライヴへのインビテーションでもあるのだ。
(下元 陽/BLOCKBUSTER)

Jazztronik
野崎良太がプロデュースする、特定のメンバーを持たない自由なミュージック・プロジェクト。DJとしてもクラブイベント''Jazztronica!!''@渋谷 The Room(奇数月)などを主催している。年末からスタートするツアーの詳細は〈http://jazztronik.com/〉にて随時公開。

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『JTK』
デビュー10周年を記念し、自らの名前を冠したアニバーサリーアルバム。小泉今日子のほかにも、話題のシンガー・JUJUや、武田真治とのコラボ曲も収録している。
発売/Knife Edge(ポニーキャニオン) 価格/2940円(税込)


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