【町田啓太】『ミステリと言う勿れ』現場で気づいた“疑問を持つ”意味

――たった1本の映画が人生に影響を与えた、あるいは人生を変えた、という人は少なからずいるだろう。では、各界で活躍するあの人物は、どのような作品から影響を受けたのだろうか? あらゆる業界の賢人に登場いただき、至極の1本を聞いた――。

俳優
町田啓太
まちだ・けいた 1990年、群馬県生まれ。2010年、舞台『ろくでなしBLUES』で俳優デビュー。Netflixドラマ『今際の国のアリス』など、出演作多数。24年大河ドラマ『光る君へ』出演も決定。

(写真/二瓶彩)

昔からいろんな作品に影響を受けるタイプで、学生時代に航空高校へ進学したのも『トップガン』(86)の影響が多少なりともありました。ほかにも、『万引き家族』(18)を観た後は映画館から歩きで数時間かけてずっと考えながら帰ったり、『バーフバリ』(15)や『RRR』(22)では初めて応援上映に参加してペンライトを振りましたね(笑)。そんなふうに、映画作品を観ていてエネルギーや刺激、気づきをもらえるとうれしいですし幸せを感じます。

今回、僕が狩集理紀之助という役を演じさせていただいた『ミステリと言う勿れ』(23)も、ただ謎を解いていくだけのミステリーではなく、人の心や絡まってしまった感情をひもといていって温かい気持ちになれる作品です。劇中では、主人公の久能整くんが口にする世の中の“普通”に対する疑問にハッとさせられることがたくさんあります。もともと僕も原作マンガが好きで以前から読んでいて、そうした疑問を丁寧に描いていることに心をつかまれました。今作では遺産相続事件というミステリーが話の軸となりますが、家族のつながりや子どもの頃に受けた傷が大人になっても残ってしまう影響など、いろんな人々の思いが交差していくところが描かれています。なので、年齢や性別問わず、観た人全員にどこかしら響くところがあるはずで、個人的にはそれが本作の見どころのひとつだと思います。

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