『おしえて!ドクター・ルース』セックス・セラピストはキュートな90歳!――時代に翻弄された半生

『おしえて! ドクター・ルース』

80年代、アメリカでは性のお悩み相談が好評を博していた。悩みに答えるのは“おばあちゃん”。小柄で愛くるしい顔、そして強いドイツ訛りの、優しく、鋭いアドバイスで、たちまち人気者になった。だが、彼女の生い立ちは決して平坦なものではなかった……。監督:ライアン・ホワイト、出演:ルース・K・ウエストハイマーほか。8月30日全国公開。

「あなたの彼氏が、セックスの時、ちゃんとクリトリスを刺激してくれないなら別れなさい」

 そんな言葉がテレビやラジオから聞こえるとドキっとするが、言ってるのが、ちっちゃくて可愛くてニコニコ顔のおばあちゃんだとわかると、さらにビックリする。

 ドクター・ルースことルース・ウエストハイマー博士は、40年間近くにわたって、アメリカで最も有名なセックス・セラピストとして活躍してきた。彼女が90歳になった2018年、その生涯を描くドキュメンタリー『おしえて! ドクター・ルース』が製作された。

 ルースはテレビやラジオで、一般の人からの電話によるセックス相談にキツいドイツ訛りで明るく楽しく答えていく。

「女の子がオナニーしても何も悪くないですよ。本当はみんなしてるんだから」

「ペニスの大きさよりもセックスに大事なのは頭と心なのよ」

「私が嫌いなのはノーマルという言葉。セックスにおいてノーマルも異常もありません」

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