サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 自ら整形を語り出した女たち【1】/【美容整形YouTuber】の深淵

――YouTuberのジャンルのひとつに、「美容整形YouTuber」がある。自身の整形手術前後の様子(時には術中も!)を克明に映し、ダウンタイムの腫れ上がった顔もさらす女性たちが、支持を得ているのだ。なぜYouTuberたちは赤裸々に整形を語るのか――。

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「全身総額2億円」がキャッチコピーの整形タレント・ヴァニラ。ただしチャンネル登録者数は約9万人と、後述する整形YouTuberに比べて決して多くはない。

 二重手術やシミとりレーザーなど、「プチ整形」を勧めるテレビCMや電車内広告が珍しくなくなり、美容整形は芸能人やモデルなど「一部の特別な人」だけのものではなくなってきている。

 美容外科・東京イセアクリニックが2019年に行った16~69歳の男女900人のアンケートによると、「整形に対してポジティブなイメージを持っている」と回答したのは男性は47・8%、女性59・1%と双方とも高い割合を占め、なかでも若年女性は10代で61・3%、20代で73・3%と特に高い結果となった。実際に整形をしたことがある人も、男女合わせて10代が5・3%、20代で4・7%と、単純計算して20人に1人は整形の経験があるという数字が出ている。美容整形がしごく身近なものになっていることが、この数字からもうかがえる。

整形暴露から告白動画へ

 その波はYouTubeにも来ている。10年前のYouTubeの検索欄に「整形」と入力すると、「タレント○○の整形を暴く!」といったゴシップ動画がヒットすることが多かった(現在もあるにはある)。それが現在は、タレントやYouTuber自身が整形を告白する動画が多数ヒットするようになっている。

 たとえば、「整形タレント」の代名詞であるヴァニラは、18年にチャンネルを開設。これまでの整形体験を語った「【暴露】ヴァニラが1番痛かった整形手術はこれです・・・」は、20年4月上旬時点で240万回以上再生されている。

 バラエティ番組にたびたび出演するなどメディア露出の多い、歌舞伎町の有名キャバクラ嬢・桜井野の花も、自身のYouTubeチャンネルで、60万円かけたという二重全切開や鼻と唇の間を縮める人中短縮手術など、さまざまな美容整形手術を詳細に告白している。また、キャバクラ嬢の教科書と呼ばれた雑誌「小悪魔ageha」で人気を博した双子モデル・ちえちかも「これまでにかかった整形費用」や「痛かった整形」などの動画を公開している。キャバクラ嬢は主に男性を接客する職業だが、こうした動画のコメント欄には女性と思しき視聴者たちが応援や共感のコメントを寄せており、従来とは違うファンを獲得していることがうかがえる。

 また、“女性版レペゼン地球”と呼ばれ、奔放な夜遊び動画などで人気急上昇中の3人組YouTuber「ヘラヘラ三銃士」のリーダー、ありしゃんが韓国で顎の骨を削って輪郭を変更する手術を受けた動画では、普段のイケイケぶりとは打って変わって、自身のコンプレックスや周囲から言われた容姿に関する心ない言葉について真剣に振り返っている。

 こういった動画はどれも再生数が高い。YouTubeにおいて、「美容整形」への注目度が高まっていることは間違いないだろう。また、美容医療・美容整形口コミSNS「Meily」の公式YouTubeチャンネルがインフルエンサーらの整形体験動画を公開していたり、高須クリニックの高須幹弥医師を筆頭に、美容外科の医師たちによるYouTubeチャンネルも続々と開設されたりと、美容整形関連の企業チャンネルは今後も増えていきそうだ。

 なお、整形先進国である韓国では、Vlog(VideoとBlogを合わせた造語で、日常生活を映した動画のこと)として整形後の様子を公開する人は多い。美容整形に関するYouTubeは本邦よりも盛り上がっているようで、なかには男女のカップルで美容整形した様子を動画にしている猛者もいる。

手術直後のダウンタイムとコンプレックス語りはお約束

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