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写真時評~モンタージュ 現在×過去~

「神国日本」の残滓(上)

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和泉神社、アメリカ・自治領北マリアナ諸島連邦テニアン島、2015年撮影

 昨年夏、「国生み神話」ゆかりの神社ということで観光に訪れた淡路島の伊奘諾神宮で、思いがけない光景に出会った。境内のそこかしこに「憲法改正の実現を」「1000万賛同署名」などと書かれた水色と白の幟が立てられていたのだ。全国各地の神社の境内に憲法改正をPRするポスターや署名を集めるコーナーが設置されているという情報は耳に入っていたが、拝殿正面にカラフルな幟を立ててしまう無神経さを目の当たりにして、いち観光客として辟易させられた。色彩的なそぐわなさはもちろんのこと、宗教の場へ政治が持ち込まれていることへの違和感は、拭いがたく残った。宗教よりも政治が優先された結果、祈りの場に政治的な宣伝のための幟が設置されたのだろう。

 全国8万社の神社が加入する神社本庁が、右派団体の「日本会議」が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」と一体となって安倍政権が進める憲法改正を支援していることは、今やよく知られた事実である。2015年に東京都神社庁が出した「憲法改正運動を推進する宣言」には、「建国以来守り受け継いで来た伝統精神」や「正しい国民精神が涵養される麗しい日本の国柄」というようなアナクロニックな言葉が並んでいる。国家の庇護の下での「栄華」を忘れられない神社界の一部が、神道が実質的に国教化されていた戦前・戦中期への回帰をノスタルジックに志向しているということなのだろう。

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