サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > エロからプラトニックへ…【1】/なぜ【ショタコン女性】が増えているのか

――今、マンガ業界では「おねショタ」モノの作品が隆盛している。30代の年頃の女性がうら若き少年と出会い……なんて夢物語をうっとり読みふける女性たちの心理にはどんな欲望が潜んでいるのか。ショタコンの歴史を紐解きつつ、迫っていきたい。

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この出版不況の中、コミックスの累計(紙+電子)が130万部を突破した『私の少年』。30歳のOLが12歳の少年に抱く母性とも恋ともいえぬタブーな感情を描いた本作が、女性誌ではなく青年マンガ誌で連載されていることも興味深い。

 ショタコン――少年や小さい男の子を対象に抱く愛情・執着のこと、またはそのような感情や好みを持つ者のことを指す造語(wikipediaより)。

「ロリコン」については、十分すぎるほど世間に認知が広がっている。一方で、その対義語ともいえる「ショタコン」についてはどうだろうか。「ロリコン」は辞書に載っているが、「ショタコン」は載っていない。ロリコンマンガといえば、成人男性向けに描かれた幼い女の子主体の作品を思い浮かべる人が大多数のはずだ。それはすなわち、タブーなイメージと密接な関係にある。では、ショタコンマンガはと言われたら――? 意外とあやふやなのではないだろうか?

 アニメ『鉄人28号』(1980~81年)の主人公・正太郎のような、半ズボンの似合う少年に萌える人を指して生まれたのが語源とされる「ショタコン」だが、現代においてその中身は実に多様だ。まず、少年が二次元なのか三次元なのかで大きく区切れる。もちろん、改めて言うまでもないが、生身の少年に手を出すことは犯罪だ。ここでいう「三次元」は、主に芸能の意味である。芸能界最大のショタといえば、ジャニーズなどの少年性をウリにした男性アイドルだろう。特にジャニーズJr.については、ローティーンの美少年たちをファンが愛でまくる文化として完全に定着しており、もはや「ショタコン」という認識すらされていないかもしれない。一方、男性向け三次元では、アダルトビデオに「ショタ」ジャンルが存在しているが、実際に低年齢の男児は出せないので、バリバリにすね毛の生えた男優が短パン+野球帽といった「少年」の記号を着て出演している。これは“概念”としてのショタコンと考えたほうがよさそうだ。

 一方の二次元では、より直接的な成人向け作品がメインになってくる。そしてここには、作中で少年と絡む相手が男性なのか女性なのか、という分かれ道がある。「男性(少年)×少年」となると即「BLか」と言われるだろう。実際、現在のBL作品や女性向け同人誌でそうした作品は数多く、ショタコン属性を持つ腐女子は珍しくない。さかのぼれば、BLの祖のひとつとされる竹宮惠子や萩尾望都ら“24年組”マンガ家たちの作品でも、少年は特別な存在として描かれていた。『風と木の詩』や『トーマの心臓』は、まさに少年同士の愛の物語を美しく描き、長く読み継がれる名作となっている。とはいえ、「男性(少年)×少年」は必ずしも女性の専売特許ではない。後述するが、男性オタクのなかにも愛好家は存在している。

 さらに二次元の「女性×少年」は、「おねショタ(おねえさん×ショタ)」という単語があるくらい、ジャンルとして確立されている。これは前述の「男性×少年」とは逆に、どちらかといえば男性向けのものだった。ところが今、この潮流が変わってきている。どうやら、おねショタを愛する女性が増えつつあるようなのだ。

女性の自分本位な欲望の発露としてのショタ

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