サイゾーpremium  > 特集  > タブー  > 『名探偵コナン』をめぐるタブーを検証【1】/【名探偵コナン】のタブー

――2018年に映画『名探偵コナン ゼロの執行人』の興行収入が90億円を突破し、現在公開中の映画『名探偵コナン 紺青の拳』も大ヒットを飛ばしている『名探偵コナン』。今や国民的人気作品となった同作の裏側やタブーについて、関係者らの話を通じて探っていこう。

もはやテレビアニメは原作者と出版社へのアピールにすぎない!?――ブレーン説に声優トラブル…『名探偵コナン』のタブーを検証の画像1
現在公開中の劇場版『名探偵コナン 紺青の拳』は公開10日間で興行収入35億円を突破するなど、破竹の勢いを見せている。100億円超えも期待されており、名実ともに国民的人気作となっている。

『名探偵コナン』の躍進が止まらない。もはや説明する必要もないだろうが、『名探偵コナン』とは、1994年に「週刊少年サンデー」(小学館)で連載が始まった青山剛昌作のマンガで、子どもの姿になってしまった高校生探偵の工藤新一が、江戸川コナンを名乗りながら数々の殺人事件を解決し、謎の組織の全貌に迫っていくミステリー仕立ての物語だ。

 もともと『名探偵コナン』は、90年代初頭に起こった『金田一少年の事件簿』(講談社)に端を発するミステリーマンガブームの中で生まれており、それもかなり後発のいわゆる企画モノ的な作品で、連載当初はその荒唐無稽な設定などから、マンガ好きやミステリーファンからはやや失笑気味に「子ども向け」というレッテルが貼られていた印象もある。

 そんなある種イロモノとして始まった同作だが、連載開始から20年以上を経た現在、雑誌「創」(創出版)2018年5・6月号の「特集マンガ市場の変貌」によれば、18年10月に発売されたコミックス95巻の初版部数はおよそ70万部を記録。これは18年度発売の小学館コミックスの中ではダントツの部数であり、講談社・集英社を合わせた大手3社のコミックス全体の中でも6位につけている。同時に、スピンオフ作品『名探偵コナン ゼロの日常』2巻は50万部、『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』(共に小学館)3巻は28.5万部と、異例のヒットを飛ばすなど、屈指の人気作へと成長した。

 また毎年恒例となった劇場版長編アニメーションは近年観客動員数、興行収入ともに右肩上がりで増加。18年公開の『名探偵コナン ゼロの執行人』は最終的に興収91.8億円を記録し、18年度の日本の映画興行収入ランキングで2位に輝いた。そして最新作である『名探偵コナン 紺青の拳』は、公開10日間で興収35億円突破と『ゼロの執行人』を上回るペースで今なお動員記録を更新している。

「週刊少年サンデー」編集部はこの状況を「連載スタート時期に続く“第2次コナンブーム”」と称しており、小学館はコナン絡みの辞書や歴史マンガを発売。今や『名探偵コナン』は、世代を超えて楽しめる国民的作品の座に就いている。

 冷静に考えてみれば、『ドラえもん』や『ワンピース』といった、いわゆる国民的コンテンツと比較しても、殺人事件を中心とした犯罪が多発し、謎の組織や国家権力が暗躍する一方で、登場人物たちの恋愛模様を描く『名探偵コナン』という作品がここまでの人気を博しているというのは異様にも思える。

 本稿では、作者の青山氏自身が“殺人ラブコメ”と語る、この異質な国民的ヒット作『名探偵コナン』を取り巻く状況を概観すると共に、同作をめぐって長年ささやかれてきたタブーについて、改めて検証していく。

長寿化したテレビアニメは“劇場版のCM”にすぎない!?

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