サイゾーpremium  > 連載  > 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」  >  町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第137回/【魂のゆくえ】腐敗した教会と牧師の闘争
連載
町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第137回

『魂のゆくえ』腐敗した巨大教会の“不都合な真実”と改革派牧師の闘争

+お気に入りに追加

『魂のゆくえ』

1905_P133_img001_200.jpg

ニューヨーク州の田舎町にある小さな教会の牧師トラーは、信者のメアリーから相談を受ける。彼女の夫は環境問題を憂いて、出産に反対しているというのだ。だが、地元の教会が環境汚染企業から献金を受けていたことが発覚し……。監督・脚本:ポール・シュレイダー、出演:イーサン・ホークほか。日本公開中。

『魂のゆくえ』の主人公エルンスト・トラー(イーサン・ホーク) は牧師。彼が勤める教会は、南北戦争前に南部からの逃亡奴隷をかくまって、北部に逃した歴史ある建物だが、今はさびれて信者はまばら。経営も苦しい。

 トラーは心も折れている。2003年、彼は一人息子を従軍牧師としてイラク戦争に行かせたが、IED(手製爆弾)で戦死した。妻はトラーを責めて家を出た。孤独なトラーは毎晩ひとりウイスキーをあおるだけの希望のない日々を送っている。

 信者を奪ったのは近くのメガチャーチだ。メガチャーチとは収容人数数千人の巨大教会で、テレビCMで宣伝し、レーザーやスモークを使ってショーアップされた説教を行い、クレジットカードで寄付させる。年間数千万ドルを集めるが、宗教法人なのでもちろん無税。

 トラーの教会のわずかな信者のひとり、若い妊婦メアリー(アマンダ・セイフライド)が相談してくる。夫マイケルが子どもを欲しがらないから説得してくれと。マイケルは、温暖化で滅びゆく地球に子孫を残したくないのだ。

 マイケルに言われて、トラーは環境破壊の現実を知り、衝撃を受ける。こんなひどい現実に自分はキリスト教徒として何もできないのか? だが、酒浸りのトラーは血を吐き、胃がんと診断される。このまま無意味に死んでしまうのか? 神の使徒としての役割を何も果たせぬまま。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年10月号

欲望のグラビア学

欲望のグラビア学
    • 【都丸紗也華】とタピオカのモード撮
    • 三代目JSB【ELLY】の七変化
    • 【西村歩乃果】TikToKのアイドルが魅せる
    • 【MC・DK】ヒップホップの筋肉美
    • 奇跡の三十路【森ニーナ】がB-GIRLに!
    • 【100センチバスト】がウケる理由
    • 【撮影会】の元祖は海女さんだった!?
    • 【#MeToo時代】の問うグラビアの是非
    • 【心霊写真】のグラビア的価値とは

大和田南那"青の衝撃"

大和田南那
    • 【大和田南那】20歳目前の美ボディ

NEWS SOURCE

    • 【サイゾー×Fresh!】グラドル発掘
    • 【ラウンドガール】圧巻の美脚!

インタビュー

    • 【中村里帆】──変顔が得意なCM美女
    • 【なみちえ】──藝大JDがラップする理由
    • 【DaichiYamamoto】──京都の新世代ラッパー

連載

    • 表紙/【北向珠夕】33歳に見られたんです。
    • なんとなく、【クリステル】
    • 【リクナビ】内定辞退率が法律違反以上にマズイわけ
    • 【萱野稔人】宇宙生物学と脳の機能から見る人間(前)
    • 高須基仁/年末にブレイクするのは【山里良太と稲垣吾郎】
    • 【盆踊り×SNS】の親和性
    • 世界最強の【麻雀AI】を生んだ中国人研究者
    • 【ライオネル・リッチー】の逆襲
    • 町山智浩/【アメリカン・ファクトリー】中国資本の米工場を追う
    • 【ラグビーW杯】醍醐味はブレークダウン
    • 小原真史「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/笑う全裸監督
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/【さよならミニスカート】を読む娘へ
    • アッシュ・ハドソン「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子「佳子様偏愛採取録」義
    • ビールと人を作る!【ブルワーを育てるブルワー】
    • 更科修一郎/幽霊、箱の中で覗き込むエロと未来。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』