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第1特集
映画学校出身者って嫌われる?【1】

日本に真の“映画批評”があるのか? 実践と理論の融合が巨匠を生む日米比較“学問としての映画”

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――日本の大学において映画に関する授業は人気科目のひとつだが、教員や学生に「映画学とは何か?」と聞いても、正解を答えられない人は多いはずだ。また、日本の有名な映画監督を思い浮かべても「大学で映画を学んだ」という人は多数派ではない。今回はアメリカの大学と日本のそれを比較しながら、学問としての映画を見ていこう。

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『フィルム・アート -映画芸術入門-』(名古屋大学出版会)

 大衆の娯楽であると同時に芸術作品でもある映画は、学問の研究対象にもなっているので、日本でも「大学で映画についての授業を取った」という人は多いだろう。

 一方で「映画について学ぶ大学の学科、学校」となると、一般の人にはかなり縁遠いものとなる。日本大学芸術学部の映画学科、今村昌平が学校長を務めた日本映画学校を前身に持つ日本映画大学などは有名どころ……ではある。ただ、名だたる映画監督の多くがそのような学校の卒業生かというと、決してそうではない。むしろ映画監督となる人は「学生時代に自主映画を製作→「『ぴあフィルムフェスティバル』などの映画賞で入選」「一般大学卒業後に番組制作会社に入社し、後に監督デビュー」というパターンが主流ではないだろうか?

 では、日本では「学問としての映画」がどのようにして教えられているのか、映画の本場アメリカでの映画教育と比較をしつつ解説してみたい。

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