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第1特集
未邦訳文学の奥深き世界観【2】

【翻訳家・寺尾隆吉】が選ぶ・邦訳発売が決定している注目のラテンアメリカ文学3選

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[翻訳家]寺尾隆吉(てらお・りゅうきち)

1971年、愛知県生まれ。ラテンアメリカ文学研究者、翻訳家。フェリス女学院大学国際交流学部教授。ラテンアメリカ文学の邦訳とともに、安部公房や大江健三郎らのスペイン語翻訳も手がける。

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 私は翻訳家ですが、出版社からの依頼ではなく、こちらから作品を提案し、同意を得た上で邦訳を進めています。また、ラテンアメリカ文学研究者という立場から、売れる/売れないの観点からでなく、“邦訳する価値のある文学”という基準で選定してます。邦訳の見通しが立つと、公的機関(主にスペイン文化省)に助成金を申請し、出版社に損をさせないシステムを組みます。ただ、助成金を受けるとプレッシャーも増し、自分で自分の首を絞めてしまうことにもなりますが(笑)。

 今回紹介するのは、すでに私の邦訳で出版が決まっている三点。マリオ・レブレーロの『場所』【1】は、すでに亡くなったウルグアイの作家ですが、21世紀に入ってから急速に評価を高めました。家に閉じ込められた男が扉を開けても開けても部屋が続くだけで、そのたびに奇妙な出来事に襲われ、予想もつかない展開が待っています。奇想天外なだけでなく、そこに世界の不条理をめぐる探究が重なっています。

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