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第1特集
レーディングに厳しい欧米アニメの過激さ【1】

『サウスパーク』だけじゃない!! ムハンマドや天皇もネタにするタブー破りのアメリカ産アニメ

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――クール・ジャパンという言葉も普及し、日本のアニメの海外進出も騒がれる一方で、今ひとつ目を向けられる機会が少ないのが海外のアニメだ。しかしアメリカで放送されるテレビアニメシリーズなどには、日本ではご法度の過激なネタが満載の作品が数多く存在している。

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『サウスパーク』のHPでは、過去に放映されたエピソードを視聴できる。

 海外アニメと聞いて、大半の人が最初に思い浮かべるのはディズニーやピクサーの作品群だろう。一方でアメリカには、日本にはあまりないタイプの過激なテレビアニメシリーズも多く存在する。アメリカを中心に世界のアニメを紹介するサイト『Read Me! GIRLS!』管理人のスカポン太氏は、その特徴を次のように語る。

「『カートゥーン』と呼ばれるアメリカのアニメは、ストーリー性を重視する日本のアニメと比較すると、コメディ色が強いものが多いですね。10分程度の作品でも、大量のギャグが詰め込まれていて、ものすごいスピードでストーリーが展開します。ギャグのネタも、落とし方も日本とは違うので、日本のアニメに食傷気味だった人でハマる人は一定数います」(スカポン太氏)

 本稿ではタブー破りの海外アニメについて知見を深めていきたいが、まずは日本でもお馴染みの『ザ・シンプソンズ』と『サウスパーク』から見ていこう。

 海外ドラマ評論家で、アメリカのテレビ事情に詳しい池田敏氏は「『ザ・シンプソンズ』はアメリカにおいて、アニメ=子どものためのものという考えを壊すきっかけになった作品だった」と語る。

「それまでのアメリカのテレビアニメは、学校が休みの土曜日の朝に集中的に放送されていて、内容も実際に子ども向けの内容でした。そんな中で『ザ・シンプソンズ』は、ゴールデンタイムのバラエティショーの1コーナーとして1987年にスタート。大人も楽しめるコメディアニメとして大きな成功を収め、現在も放送継続中という長寿番組になっています。日本でいえば『サザエさん』のような存在でしょうか」(池田氏)

 その内容は「それぞれダメ人間な家族がお互いを支え合う、家族愛に満ちたホームコメディ」(同)だが、社会問題や政治経済などを扱い、ときには過激なネタも飛び交う。特に有名なのが「Thirty Minutes Over Tokyo」というエピソード。日本旅行に出かけたシンプソンズ一家が相撲を観戦するのだが、主人公のホーマーがそこを訪れていた天皇陛下を投げ飛ばし、マワシの山に頭から突っ込む……というシーンがあるのだ。

「さすがにその回は日本では放送できなかったようですね(笑)。またホーマーの仕事が原子力発電所の安全検査官で、原発を笑いのネタにすることもあります。アメリカは日本ほど原発に神経質ではなかったようで、『なんだかよくわからないけど危ないんでしょ?』くらいのテンションで扱われていた印象ですね」(スカポン太氏)

 一方、内容の過激さでトップクラスといえるのが、田舎町に住む小学生4人が巻き起こす騒動を描くシリーズ『サウスパーク』だ。

「97年に放送開始された当初は、切り絵風の絵柄に『子どもの絵かよ!』という声も上がっていましたが、扱う内容はとにかく過激。政治から宗教まであらゆるものを笑いものにし、R指定で公開された『サウスパーク/無修正映画版』では、カナダとアメリカが戦争状態になり、サダム・フセインも登場させていました。描く内容はムチャクチャなのですが、そこには現在のアメリカを批判的に見つめる視点があり、社会批判的な作品としても非常に面白く作られています」(池田氏)

 風刺画を描いた人に殺害予告を寄せるムハンマドさえも、作品中に登場させているのだから恐ろしい。

「実際にインターネットの掲示板には、作者のトレイ・パーカーとマット・ストーンの殺害を示唆する脅迫文が掲載されましたが、2人は『殺しに来れるなら来てみろ!』的なノリでした(笑)。また有名人も実名で登場させて容赦なくネタにしますし、トム・クルーズなどは複数回にわたってしつこく小馬鹿にされています」(スカポン太氏)

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