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第2特集
SEKAI NO OWARIはなぜイタい!?【5】

「バンプや嵐と一緒に聴いてます!?」中高生がつくる"セカオ輪"の実態

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――「厨二病だ」「イタい」などと揶揄されがちなセカオワワールド。この項では、そんなセカオワを愛するファンたちの動向を分析してみたい。10代が多いと思われる彼らファンは、セカオワをどのように聞き、そしてライブに足を運んでいるのだろうか?

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『ROCKIN'ON JAPAN 』

 概論部でも述べた通り、善悪二元論的でファンタジックな世界観が"厨二病"的だと揶揄されがちなセカオワ。ここでは、「セカオ輪」などとも称されるそのファンたちについて分析してみよう。少しググってさえみれば、その中心は中高生を中心とした低年齢層であることは一目瞭然である。

「ロックとかJ-POPじゃなくて、セカオワがひとつのジャンルだと思う」「セカオワは世界の中で特別な存在」「Fukaseさんの歌詞に出会って人生が変わりました」

 こうした言葉をツイッター等であられもなくつぶやいてみせる彼らには、どんな音楽的背景があるのだろうか? その平均年齢を18歳、J-POPリスナー歴を8年と仮定しよう。オリコンチャートを眺めながらこの8年の音楽シーンを俯瞰してみると、まずはAKB48、嵐、そしてEXILE勢が市場独占的大ブレイクを果たし安定政権を築いた時代だといえる。セカオワファンの多くは、思春期にそれを目の当たりにしてきたことになる。また、音楽フェス文化の盛り上がりを遠くに眺めていた世代でもあるだろう。彼らは、市場独占者以外にも小さな宇宙がいくつもあり、そうした島宇宙の中でローカルスターがカリスマ的な人気を集めるようになった時代に育ったのだ。

 といっても、活動開始当初は10代のファンはそう多くはなかったようだ。音楽ライターの柴那典氏は、その頃のファンを目撃した1人だ。

「インディーズ時代は、『ライブハウスclub EARTHを仲間たちと手作りで立ち上げた』という物語に惹かれてついていたファンが多かったんです。女性が中心で、都心から離れた小さなライブハウスに足しげく通えるわけですから、年齢層も現在のファンより少し上、20歳前後が多かった。Fukase君の精神病歴が大きなフックになっていたのもこの頃ですね。ところが、メジャーデビューして『世界の終わり』から『SEKAI NO OWARI』に変わり、セカオワは大きな路線変更をする。それが明確になったのが11年11月の武道館公演で、この頃を境にファン層は一気に変わり、今につながる10代ファンが中心となっていきます」

 ツイッターのプロフィール欄検索ができるサイトを利用すると、そのあたりの実情が浮き彫りとなる。14年6月31日現在、「SEKAI NO OWARI」もしくは「セカオワ」というワードを掲げているアカウントは、約10万2000。このアカウントに対し、他の人気アーティスト名を入れ片っ端からAND検索をかけてみると……。

 1位=RADWIMPS(1万5554)、2位=ONE OK ROCK(9582)、3位=BUMP OF CHICKEN(7978)【数字はアカウント数の合算】。そう、まさにネットで"厨二病"的だと揶揄されている新旧のバンドばかりなのである。"無垢な自分たち"と"汚れた大人たち"を区別し、聴く音楽に関しても人気アイドルやメジャーアーティストを支持するマジョリティとの差異化を図り"個性派の自分"を演出する若者たち。まさに"厨二病"をストレートに体現したようなこの層をターゲットにした音楽は、ロックが誕生し若者が音楽ビジネスの主役に躍り出て以降、常に存在している。そして今やセカオワは、そのマーケットの最大の成功者となりつつあるのだ。

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