サイゾーpremium  > 特集2  > 【元アルバイト座談会】魔女の巣窟? 質の落ちた接客の現状

──ゲストの知らないディズニーリゾートの裏側を知るためには、現場のキャストたちに聞け! ということで、元アルバイトスタッフたちに集まってもらい、知られざる現場の“過酷さ”とキャラクターたちのヒエラルキーについて語ってもらった。

[座談会参加者]
A…元クラークキャスト担当 20代女性
B…元カストーディアル担当 30代男性
C…元レストラン担当 10代女性

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ほうきで絵を描いたりしてくれるのが、カストーディアルの皆さん。

A アルバイト経験者だからこそ知るディズニーの裏の顔、ということですが、まず皆さんはどんな職種を経験されましたか?私は2年ほど前まで、「クラークキャスト」として働いていました。電話対応や、人事関連の作業のお手伝いをする仕事です。

B 僕が働いていたのも、ちょうど2年ほど前までです。担当は「カストーディアル」。園内を歩き回って、お客さんの写真を撮ったり、清掃をしたりしているスタッフです。

C 私は去年、1年もたたずに辞めたのですが……アルバイト職の中では“底辺”とされる「レストラン」で働いていました。

A ディズニーは、およそ2万人のスタッフのうち、そのほとんどがアルバイトなんです。正社員は、それぞれのロケーション(担当場所・店舗)に2~3人程度の配置で、シフトのローテーションなどもバイトリーダーが組みます。アルバイトが振り分けられる主な部署としては、Bさんがいたカストーディアルやアトラクションの案内係をはじめとした、ゲスト(=お客さん)と接する機会の多い「運営部」、Cさんがいたレストランなどを中心とした「フードオペレーション部」、お土産などの販売を担当する「商品販売部」、警備などを行う「セキュリティ部」、そして、私が所属していた部署をはじめ、主に事務仕事を請け負う「クラーク」の5部門に分かれています。ちなみに、一番人気は運営部ですね。私も、入社時の希望はカストーディアルでした。

B アルバイトの面接は、千葉県浦安市の体育館などを貸し切って集団で行われるのですが、その面接官は、実際に現場で働いている社員の人たちなんです。だから、当たった面接官が希望職種の担当で、その人に気に入られれば、そのまま部下として採用してもらえることもあるんですが、希望通りの職種に就けることはまれですよね。

A 特にカストーディアルは、園内を自由に動き回れるから、ディズニーが好きで入社する人はみんな希望しますよね。時給についても、ほとんどの職種が一律1000円ですが、カストーディアルの場合、トイレ掃除の担当をする日は“トイレ清掃手当”がついたりもするし。

B 不特定多数の人が使用するトイレは、感染症などの危険性も高いので、僕らアルバイトには労災保険代わりか、その分の手当ってことらしいです。

A あと、全員に1日200円、“着替え手当”も出ますよね。園内が広すぎて、スタッフが使用するロッカールームから自分のロケーションに移動するために、バスを利用しなければならないほど。となると、最低でもシフトの30分前には入らないと間に合わないので、その時間給なんです。

C これはロケーションにもよると思うのですが、レストラン勤務の場合、シフトが自由にならず、全然稼ぐことができませんでした。レストランは忙しい日だと休憩時間を削って残業を迫られるのに、暇な日は3時間で帰されてしまうようなこともしょっちゅうで。私は通勤時間が往復で4時間以上かかっていたので、割に合わなかったんです。1カ月働いても、手元に残るのは8万円程度。近所のファミレスで働いたほうが、稼げるくらいでした。

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