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連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第28回

中国のバブル崩壊が金融危機を引き起こす!? アメリカに代わり中国が覇権国になれない理由

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──国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか……気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。

第28回テーマ「中国のバブル崩壊はなぜ防げない?」

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[今月の副読本]
『北京のアダム・スミス』
ジョヴァンニ・アリギ/作品社(11年)/6090円
経済学の祖とされるアダム・スミスの経済発展理論を用い、アメリカを中心とする西洋諸国のヘゲモニーの弱体化と東アジアの経済的復興を壮大な視野から分析する。世界システム論で高い評価を得た、アリギの遺著でもある。


 中国で9月に起こった反日デモは、対中投資のリスクがいかに高いものであるかを私たちに痛感させました。せっかく日本企業が中国に投資をしても、反日デモで工場や店舗が破壊されてしまったり、日本製品の不買運動がなされたりしたら、損をするばかりです。9月の反日デモをきっかけに「チャイナ・プラスワン」という言葉がマスメディアでもさかんに取りあげられるようになりました。この言葉はもともと、中国での賃金上昇やストライキの頻発を背景に、日本企業が海外の生産拠点を中国だけに集中させることは危険なので、中国以外の新興国にも生産拠点を分散させるべきだ、という意味でしばらくまえから経済界ではつかわれていた言葉です。そうした認識を、今回の反日デモは一般の人にも広めたのでした。

 しかし、日本経済にとって真の中国リスクはそうしたところにはありません。私たちにとって本当に怖いのは中国発の金融危機です。すでに中国経済はバブルの様相を呈しつつあります。世界的な不況のあおりを受けて失速する中国経済は、今後、その経済成長を維持するためにバブルへと猛進していく可能性がひじょうに高い。しかしバブル経済はいつかははじけます。バブルがはじければ金融危機が必然的にやってきます。世界の成長センターである中国で金融危機が生じれば、その影響は計り知れません。2008年に起きたアメリカ発の金融危機が日本経済にも深刻な影響をあたえたように、この場合も日本は無傷ではいられないでしょう。

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