サイゾーpremium  > 特集  > IT  > ジョブズ、孫正義、【コミュ障】なITの天才たち

──奇人・変人の多いIT業界。その中でもダントツにおかしな行動をしている4人の逸話を集め、彼らの思考様式、行動パターンを読み取っていこう。そして、それらをマネすれば、我々一般人もIT長者になれるかも!?

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『フェイスブック 若き天才の野望』(日経BP社)

 ご存じの通り、IT業界での成功者には変人が多い。エレベーターの中でいきなり部下にクビを宣告するスティーブ・ジョブズ、大事なプレゼンの場に半ズボンで現れるマーク・ザッカーバーグ、何かと「火をつける」と言い放つ孫正義、手づかみで物を食べるジュリアン・アサンジ……。

 彼らの風変わりなエピソードは枚挙に暇がなく、彼らの変人ぶりを記した評伝はいずれもベストセラーになっている。ジョブズ逝去直後には「なぜ日本にジョブズが現れないのか?」という議論もあったが、これは「なぜ日本にはビジネスで成功する変人があまり現れないのか?」と読み替えることもできるはずだ。

 では、そもそもどうしてIT業界での成功者には変人が多いのだろうか? また、変人がIT業界で活躍できる理由はいったい何か? 「右にならえ」を美徳とし、変人に対して冷たい日本社会の中で、大成功を目指すには、我々も変人を目指したほうがいいのだろうか? 

 そういった事情に精通している「ギズモード」初代編集長であり、現在はシックスアパートでメディア事業担当シニアディレクターを務めるアルファブロガー清田いちる氏(個人ブログ「小鳥ピヨピヨ」)にお聞きした。

 果たして世界に冠する大企業のトップがメディアから変人扱いされて、何かいいことはあるのだろうか?

情報の価値は貨幣に近いアテンション・エコノミー

「ネットにおいては10年ほど前から“アテンション・エコノミー”という言われ方がされています。情報量が増えている一方で、僕たちが情報を摂取できる量や時間は限られている。その分、情報の価値がほとんど貨幣に近いぐらい高まってきました。これをアテンション・エコノミーと呼びます」(以下、すべて清田氏のコメント)

 つまり、ジョブズやザッカーバーグの場合、多くの人の注目を集めることで商品やサービスが素早く周知されて、実際にビジネスが成立するという側面がある。

 例えば、フェイスブックの成り立ちとザッカーバーグの変人ぶりを描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』(10年)の公開によって、それまで日本ではいまいち低調だったフェイスブックの認知が一気に広がった。

「創業者が変人だと面白いですよね。かっこうのPRのネタになるんです」

 では、なぜ彼らのような変人たちが、IT業界の中で成功できたのだろう?

「アメリカでは、変人の思考をビジネスにするノウハウがあります。大切なポイントは、彼らをまわりの大人が守っていること。ジョブズにしても、アップル創業時から金銭面や経営面でサポートしてくれる人たちがいました。変人がひとりで会社を立ち上げているのではなく、周囲に彼らをビジネスにする人が集まってくるんです」

ハングリーかつバカになって突き進む大切さ

 昨今、日本では若者を中心に「コミュ障」という言葉がはやっている。「コミュニケーション障害」の略語で、人とまともに会話ができない、極度の人見知り、どもり、対人恐怖症といった症状を指す。また、引きこもり生活が長年続くと発症しやすいともいわれている。例えばであるが、他者とうまくコミュニケーションがとれない人物に対して「コミュ障」というレッテル貼りをして、人間関係すら断ち切ってしまうこともある。

 ところが、シリコンバレーでは「コミュ障」の人を排除したりはしない。むしろ、「コミュ障」の変人たちの中に眠っているパワーを探している人のほうが多いくらいなのだという。「お前はプログラミングができる。じゃ、俺はビジネスのほうをサポートするよ」といった話がたくさんあるのだ。

「日本人が社会システムとして整備しなければならないのは、チームを作って誰かのアイデアをビジネスにすること。アメリカでは変人が中心にいても、その周りを優秀な人がサポートしている。テトリスの凸凹のように、うまくチームを作っているんです」

 これは朗報だ。自分自身が変人になることは難しくても、才能を持った変人を見つけてサポートしてやればいいのだ。

「あいつは変人のくせに調子に乗っているから足を引っ張ってやろう、というのではダメ。実はブームを作るのは、変人ではなくてその人をフォローする人なんです」

 では、同調圧力が強く、コミュニケーション重視、変人には冷たい日本社会で生きる我々は、ジョブズやザッカーバーグの変人ぶりから何を学べばいいのだろう?

「ジョブズの有名な言葉、“ハングリーであれ、バカであれ”は、今の日本人にとって重要なメッセージだと思います。不況が長引いて将来を悲観している若者が多いと思うのですが、バカでハングリーに突き進むという側面が必要だということは、たぶん日本人も気づいている。頭で考えると、よくない証拠ばかりが見つかってしまうんです。だからこそ、バカになれ、ということだと思いますね」

 変人であることを恐れてはいけない。一歩抜きんでるためには、他人にやいやい言われても気にする必要はないのだ。

「コミュ障」と言われても落ち込むなかれ!

「日本では、周りの目を気にすることが多いと思うんです。こんなことをしていたら変じゃないかとか、ほかの人と違ったことをしているんじゃないかとか、周囲の人の目を気にしてしまうんです。でも、何らかの目的を達成するコツは、目の前のことを一生懸命やることなんです。ジョブズもザッカーバーグも孫さんも常に目標に向かって邁進していた。アサンジなんて、その極みです。それで周りに人もついてくる。日本でコミュ障と言われたり、変人だと言われたりする人も、落ち込む必要はないと思いますよ。今、ITの世界はひとりでいろいろなことができますからね。SMAPも言ってるじゃないですか。『世界に一つだけの花』は、変人の花なんですよ」

 この記事の読者から、将来、IT長者が生まれることを期待したい。その際は恩返しとして弊誌にぜひとも出資してください! 何卒、よろしくお願い申しあげます!

(文/大山くまお)

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