サイゾーpremium  > 特集  > 木村元彦×岡田康宏──中田英寿はいずれ大...

──人種問題、商業主義、スターシステム......。スポーツ界には触れてはいけない領域が数多く存在する。『オシムの言葉』著者・木村元彦と、「サポティスタ」の編集人・岡田康宏が、タブーなスポーツ本をめぐって徹底議論!

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負けたのに、五輪出場を決めた谷亮子。
そしてそこに、なんら突っ込みを入れない
メディア。トヨタという巨大企業の威光を背
景にした、まさにスポーツタブーである。

──北京五輪(08年7月当時)が近づいていますし、スポーツ関連の書籍が、多く出回るかもしれません。しかし、ここ数年はスポーツもので目立った本は見当たらないような気がしますね。

木村 スポーツライティングは、取材対象のアスリート個人に寄っていくものが多い。ただ、今のスポーツ界の現状だと、選手本人がいて、代理人がいて、チームがいて、それらすべてのチェックが通らなければ本にはならない。こういった現状だと、スポーツジャーナリズムとしてタブーを破るような本は、世に出にくいですよね。

岡田 木村さんは、原稿チェックとかどうしているんですか?

木村 基本的には「ゲラを見せてほしい」という選手の取材はやりません。原稿チェックがどうしても必要な場合でも、事実関係以外は変えません。そういう意味だと、『大山倍達正伝』【1】は幾多も出版されたひとりの人物ノンフィクションの終着点です。大山倍達の本は、『空手バカ一代』をはじめ数多く出ているけど、彼の実像をきちんと描いている本はほとんどなかったから、すごいですよね。

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