【3li¥en】キャリアは浅くとも人間味がディープすぎるフライガール

――千葉雄喜「チーム友達」の数あるリミックスの中でも、一際異彩を放っていたラッパーの深掘りしたくなる不可思議なアーティスト性

(写真/高野瑠星)

「お忙しい中、ありがとうございます!」と、慇懃なアティチュードで取材に現れた3li¥en(以下、エリイェン)。スカイブルーの長い髪と豪奢に彩られたネイル。顔に埋められたピアスはリル・ウージー・ヴァートにインスパイアされたものらしい。まごうことなきギャル・ラッパーのエリイェンは、昨年突如としてシーンに現れた。

「テレビ局の編集スタッフとして働いていたんですけど、上司のコンゴ人に『ラップやったら?』と言われて、その人の家にあるスタジオで録ってみたんです。その後、すぐにクラブのステージで(ライブを)やってみませんか? と声をかけてもらって」と、あっという間にラッパーのキャリアが始まる。埼玉県戸田市に生まれ、ナイジェリア人の父親と日本人の母親のもとに生まれた。

「お父さんから『旅行に行かないか?』と言われて、着いて行ったらナイジェリアのラゴス。現地で通う小学校も決められていて、『騙された!』みたいな。でも、そこで自分がどこから来たのかルーツを知ることができたんです。日本でもナイジェリアでも外国人扱いされるから、『そもそも自分って何?』と思っていたし、子どもの頃から人種にまつわるアレコレはいっぱいありました。でも、結局は私は(本名の)エリなんだな、って。(人種の)ミックスでいることに悩んでいる子や周りと違うことい悩んでいる子たちを、私の曲でインスパイアしたい」

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