巨星・小室直樹が残した民主主義への理解と伝搬【中編】

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小室直樹が考えた敗戦問題とソ連の崩壊

宮台 まさに「急性アノミー」。小室先生は「小国民世代」です。大人なら「天皇陛下万歳」という"フリ"ができたし、乳幼児は何も考えず規律訓練的に反復できたけど、物心がついた小学校高学年や中高生は本気で万歳しました。森羅万象を天皇中心主義的に理解したのです。だから他世代と違い、敗戦の意味を生半可に咀嚼できなかった。吉本隆明さんも小国民世代。そういう世代は至極原理的な思想に進もうとします。小室先生という存在は、ティーンエイジャーの少年が敗戦に出会ったときのひとつの型を示しています。ちなみに小室先生が敗戦時13歳、吉本隆明氏が21歳で、それぞれ小国民世代の下限と上限です。

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